◆年内いっぱいは関西に
全休日明けの火曜朝、見慣れない厩舎服を着たジョッキーが報道陣に囲まれていた。今年3月に騎手として再デビューを果たした柴田未崎だ。
「環境を変えてみたいと思って栗東に来ました。そんなに甘いものではないと思いますけど、少しでもキッカケをつかめれば」とは当人。今後は田所、森田厩舎などの調教を手伝いながら年内いっぱい関西に腰を据えるという。
「去年暮れに斎藤厩舎の助手として(阪神JFに出走するクリスマスと)栗東に来た時にも厩舎の調教を手伝ってもらったりしていたんだ。ウチの助手と知り合いというのもあってね。ま、いきなりこっちに来て何も拠点がなかったら、始まるものも始まらないから。それならウチの厩舎を手伝ってそれをキッカケにしていけばいいんじゃないか、と話をしたんだ」
とは“受け入れ先”の田所調教師。
「調教=競馬(に乗せる)ではないと本人には言っているし、そんなに簡単なものではないと思うけど、ちょうど先週復帰初勝利(日曜福島9R栗子特別のヴァンデミエール)を挙げたのはいいタイミングだったんじゃないかな。真面目な好青年だし、頑張ってほしいよね」
とエールを送った。
同じように美浦→栗東に拠点を移して成功した例では国分優のケースがあるが、3キロの減量特典があった分、関係者も乗せやすかった。それと同じようにはいかないだろうし、当人も言うように甘いものではないだろうが、美浦よりは栗東のほうが騎乗機会は確実に増える。引退騎手の再デビューとして注目を集めた“オールドルーキー”の今後の奮闘を期待したい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)