アスカノロマン夏バテどころか元気一杯/トレセン発秘話
◆心配をよそにビッシリ追い切り
夏の小倉の暑さは異常だ。時に殺人的にさえ思える強烈な日差し。ちょっと取材にウイナーズサークルまで行っただけでドッと汗が出る。この時期、熱中症になって倒れる馬が続出するのも無理はない話だ。
一方、新潟の暑さも尋常ではないという。「小倉も暑いのは暑いけど、新潟はそれ以上。地面からの照り返しが半端じゃない」とは松元調教師。
この時期、小倉と新潟の両競馬場に遠征する関西の関係者の話を集めてみると「小倉より新潟の方が暑い」という答えが多かった。こちらも暑さに参る馬が続出する過酷な開催なのだろう。
なぜこんなことを書いたかというと、レパードSに出走するアスカノロマンが前走の濃尾特別を勝った後、「夏に強くなさそうなので、レパードSまでバテずに維持できるかどうか…」(釘田助手)と夏負けを心配していたからだ。栗東でなんとか状態を保っても、輸送して現地のうだるような暑さにやられてしまう恐れはないのか?
その心配も杞憂に終わりそうだ。この中間も馬は夏バテどころか元気いっぱい。1週前にウッドで7ハロンからビッシリ追い切って水曜も川村厩舎にしては6ハロンからそれなりに時計を出せた。「今回はこれまでの直前より意識的に時計を出した。それだけ状態もいいし、馬はシャキッとしている」とは釘田助手だ。しかも翌日の木曜にも坂路でキャンターを行う中身の濃いメニュー。デキが良くなければとてもこれだけの調教はできない。この状態なら暑い新潟に輸送しても問題ないだろう。
幸いレース当日は雨予報で、きつい日差しの心配もなさそう。ただでさえ前残りの多い新潟ダートで馬場が渋れば、より前は止まらない。どうやら2007年のGIIニュージーランドT(トーホウレーサー)以来の厩舎の重賞V2が近づいてきたようだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)