シーズン末の12月のG2。決してランクの高い重賞ではないが、十分に見応えのある、かつ中身の濃い1600mだった。
勝った4歳ファインモーション(父デインヒル)は、これはもう能力通りでごく順当な勝利といえるが、伏兵スマイルトゥモローが34.5−46.0−57.7秒で離して飛ばす流れ。
直後をペリエのハッピーパスがマークし、ピースオブワールドも直後。断然の人気馬でずっと前方に伏兵(とはいえオークス馬)がいて、当面の相手は自分をマークしている。能力は信じていても乗りにくい、スパートのタイミングの難しいレースだったが、余裕を持って外に出して1分33秒4(上がり33.8秒)。
ハッピーパスは首差だったが、ゴール前で外からこられても着差以上の完勝。武豊騎手はそれは目一杯追っていたが、ムチは使っていなかった。ちょっと無理な形で有馬記念を使ってしまったため、充電期間を長くとってこれが今年4戦目。ようやく答えを出せた。1年も勝てなかったため、重賞の出走優先権でマイルCSなど危なかった(18番目)が、これで来期、陣営の望み通りのローテーションを取ることができる。曲折はあったが、きわめて優れたマイラー(母系はともかく、あの体形のデインヒル産駒だから当たり前)であることが改めて明らかとなった。
5歳ハッピーパスは、ペリエ騎手が得意とする最有力馬をピタッとマークの戦法で、フルに能力を出し切れた。2着は仕方がない。
故障とローテーションの失敗で、この一年間を棒に振ってきた3歳ピースオブワールドも、負けはしたがさすがだった。やや流れに乗れず、ファインモーションから少し離れた道中だったため、直線は馬群に突っ込むしかなかったが、上がり33.6秒で伸びて1分33秒6。中身は文句なしだった。もう少し早目に行けても・・・は来年の課題でいいだろう。こちらもA級のマイラーは示した。