関西馬の大攻勢と時を同じくして、距離2000mのラジオたんぱ杯の中身がどんどん高くなり、こと来季のクラシックを展望するうえでは、むしろG1の朝日杯FS以上になりつつある。距離2000mでハイレベルのメンバーがそろえば、阪神JFが桜花賞と直結するのと同様、こちらは早くも皐月賞の前哨戦の趣きさえある。
史上No.1の2分00秒8で勝ったのが、2000年のアグネスタキオン。史上2位が2分02秒7のロイヤルタッチ=イシノサンデー。3位の2分03秒1が96年のメジロブライト。そして2分03秒4に94年のタヤスツヨシ。時計が速いと、たちまち翌春と直結している。2分03秒くらいで乗り切れると、路線に乗るパターンができている。
とすると、デビューの新馬戦(今回と同じ阪神2000m)で、いきなり2分02秒5のブラックタイドは強気になれる。初戦の時計はラジオたんぱ杯の歴代勝ち馬の中に入っても互角以上。芝状態の微妙な差こそあれ、アグネスタキオンに次ぐ2位に相当の時計だ。
時計が速くなるハイペースだったわけでもない。前後半は62.2−60.3秒だった。これを中団からスパートして上がり34.9−12.0秒。それも楽勝の3馬身差だった。
母ウインドインハーヘアは、欧州のG1勝ち馬。英オークス2着もある。半姉のレディブロンド(父シーキングザゴールド)はスプリンターだったが、3代母ハイクレアは仏オークス馬であると同時に、ナシュワン(英ダービー馬)の祖母でもある。典型的スタミナ型のバステッドの血が入っていたりすることから、距離は文句なくこなせる。まだ1戦のキャリアは不利とはいえ、ここを突破できればまたクラシック候補誕生となる。
公営の大器コスモバルクは体が減ったというが、当日の馬体をみたい。まともならこちらもA級の素質馬だ。