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橋口厩舎に“駆け込み”大物続出/吉田竜作マル秘週報

  • 2014年08月20日(水) 18時00分


◆ワンアンドオンリーでつかんだノウハウが現2歳世代にも注がれるとなれば…

 定年が近い厩舎というのは馬を預ける馬主にとっては難しい存在だ。名のある厩舎でも、数年後に解散となれば、預けている馬は他厩舎への転厩を余儀なくされる。それがわかっているだけに、徐々に預託頭数も減っていくし、おのずと成績も下がっていくものだ。

 しかし例外もある。ちょっと前なら瀬戸口厩舎。ネオユニヴァースが定年まであと4年というタイミングで皐月賞、日本ダービーの2冠を制覇。これで終わりと思いきや、その3年後、つまり引退の前年にはメイショウサムソンで再び春の牡馬クラシック2冠を達成した。この活躍の要因は?

 厩舎全体の雰囲気が良くスタッフの入れ替わりが少ない、馬を仕上げ切るノウハウが蓄積されている、トレーナーの温厚な性格…このあたりが頭に浮かんだが、では今の厩舎でこれに当てはまる調教師はいるだろうか?

 くどい前振りになったが、その人こそ橋口調教師ではないかと思う。今春のワンアンドオンリーのダービー制覇でひと区切り、と思われたが…。10日の小倉芝1800メートル新馬戦を勝ち上がったダノンメジャー(牡=父ダイワメジャー、母ヴィヤダーナ)を、手綱を取った小牧太は「ついに出たね、大物が」と手放しで褒めちぎった。「いい勝ち方をしてくれた。センスがいいよな。あれなら距離があっても問題ないだろう」と橋口調教師も目を細める。

 この後は野路菊S(9月20日=阪神芝外1800メートル)へと駒を進める見込み。「まだまだこれから強いのが出てくる」としながらも、「ここを勝って来年につなげられるといいな」と早くもトレーナーの夢は来年のダービーへと向いている。ワンアンドオンリーでつかんだノウハウが現2歳世代にも注がれるとなれば、2年連続ダービー制覇というのもあながち夢物語ではなさそうだ。

 橋口厩舎には要チェック馬がもう1頭。新潟開幕週(3日)の芝外1600メートル新馬戦を勝ち上がったナヴィオン(牡=父ハーツクライ、母ユキノスイトピー)だ。こちらは次週31日のGIII新潟2歳S(芝外1600メートル)へと駒を進める。

「先週末くらいからピッチを上げている。血統からはもっと距離が延びて良さそうな馬だけど、同じ競馬場を2回続けて使えるのはいいな」と橋口調教師は手応え十分だ。

 名伯楽も現在68歳。JRA調教師の定年規定70歳が迫る中、2歳世代の精鋭たちにも並々ならぬ期待を寄せているだけに、今後も目が離せない。

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