◆今年のチチカステナンゴ2歳世代がブレイクしている理由
「育成次第で馬は変わる。だから血統は関係ない」といった類のモッタイナイ意見を目にすることがあります(実際に馬を育成している人から、そういう意見を聞いたことはありませんが)。
しかし「理想的な育成」の傾向は「血統」によって出ます。つまり「育成」と「血統」は別物ではなく、常にセットと考えるべきなのです。
一流の料理人は包丁さばきや味付けが巧いだけではなく、素材の知識に長けているのと同じようなものでしょう。
たとえば、特定の年に特定の種牡馬が突然活躍する現象。これは、特定の血統馬に適した育成方法を掴んだことにより、特定の血統が連鎖的に覚醒するためです。
その典型例が、今年の2歳世代のチチカステナンゴです。
昨年、一昨年ともに、チチカステナンゴは、2歳の8月までは1勝止まり。ところが、今年の2歳世代はチチカステナンゴが、4頭勝ち上がり。5勝を上げています。
「チチカステナンゴは晩成」などと言われていたのですが、今年は突然の大ブレイク。まるで別の種牡馬に変わったかのような活躍ぶり。
なお、勝ち上がったチチカステナンゴ産駒は、すべてノーザンファーム生産馬。ノーザンファームがチチカステナンゴの「育成方法」のコツをつかんだ。と考えるのが自然です。
このように「育成のコツをつかまれた特定の血統が連続して走る」ことを意識するのは、馬券においても有効です。過去のチチカステナンゴのイメージで馬券を買う危険性も回避できるのですから。
新潟2歳Sにもノーザンファームが育成したチチカステナンゴ産駒、ブリクストが出走。
チチカステナンゴはグレイソヴリン系。昨年の新潟2歳Sはグレイソヴリン系が1-3着を独占したように同系統に相性の良いレース。
母父はフジキセキ。フジキセキ産駒は07年以降2勝。出走した5頭はすべて馬券になっています。