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血統でわかる育成の傾向

  • 2014年08月29日(金) 18時00分


◆今年のチチカステナンゴ2歳世代がブレイクしている理由

「育成次第で馬は変わる。だから血統は関係ない」といった類のモッタイナイ意見を目にすることがあります(実際に馬を育成している人から、そういう意見を聞いたことはありませんが)。

 しかし「理想的な育成」の傾向は「血統」によって出ます。つまり「育成」と「血統」は別物ではなく、常にセットと考えるべきなのです。
 一流の料理人は包丁さばきや味付けが巧いだけではなく、素材の知識に長けているのと同じようなものでしょう。

 たとえば、特定の年に特定の種牡馬が突然活躍する現象。これは、特定の血統馬に適した育成方法を掴んだことにより、特定の血統が連鎖的に覚醒するためです。

 その典型例が、今年の2歳世代のチチカステナンゴです。

 昨年、一昨年ともに、チチカステナンゴは、2歳の8月までは1勝止まり。ところが、今年の2歳世代はチチカステナンゴが、4頭勝ち上がり。5勝を上げています。

「チチカステナンゴは晩成」などと言われていたのですが、今年は突然の大ブレイク。まるで別の種牡馬に変わったかのような活躍ぶり。

 なお、勝ち上がったチチカステナンゴ産駒は、すべてノーザンファーム生産馬。ノーザンファームがチチカステナンゴの「育成方法」のコツをつかんだ。と考えるのが自然です。

 このように「育成のコツをつかまれた特定の血統が連続して走る」ことを意識するのは、馬券においても有効です。過去のチチカステナンゴのイメージで馬券を買う危険性も回避できるのですから。

 新潟2歳Sにもノーザンファームが育成したチチカステナンゴ産駒、ブリクストが出走。

 チチカステナンゴはグレイソヴリン系。昨年の新潟2歳Sはグレイソヴリン系が1-3着を独占したように同系統に相性の良いレース。

 母父はフジキセキ。フジキセキ産駒は07年以降2勝。出走した5頭はすべて馬券になっています。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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