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シンザン記念

  • 2004年01月11日(日) 11時45分
 かつて1600mだった京成杯(中山)とか、この1600mのシンザン記念のテーマは複雑。休みのないJRAとはいえ、春のG1を展望する3歳馬は、クラシックに向けて理想は充電期としたい。朝日杯JF組も、12月末のラジオたんぱ杯で手応えをつかんだ馬も同じ。

 また、牡馬は1800mとか、2000mのレースにマトを絞りたい。とすると、この寒い時期に1600mで必死になっているグループは、微妙にクラシック路線から外れている危険がある。

 事実、シンザン記念の勝ち馬は創設以来30数年も、02年タニノギムレットがダービーを制するまで、路線の重賞でありながら、クラシックを勝ったことがなかった。不振の理由はそのあとも変わらない。最有力だが、ノーリーズンの半弟になるグレイトジャーニーあたりは、歴史の中では早くも路線から外れかけていることになる。

 一方、もう1頭の人気馬タマモホットプレイは、同じように路線に乗りたい馬としても、それはうまくいけばのことで、どう見てもマイラーだろう。1400mで2連勝して、ここは1600m。距離を延ばす必要はない。

 ファミリーはサッカーボーイの一族で、この馬はステイゴールドなどと似た血統構成をもつのだが、父がサンデーサイレンスではなく、こちらはフジキセキ。いかにもスピード型のタイプだ。前回の千両賞、ムリに飛ばしたのではなくなだめて2〜3番手。抜け出しても余力があった。きわめてレースセンスがいい。ここは崩れないだろう。

 中山の11Rは、ここへきて再び調子上昇のカオリジョバンニだろう。再三1分32秒台前半のある中山のマイル巧者で、マイティスピードが引っ張る2番手追走の形は、早くハナに立ちたくない同馬の理想とするところだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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