伏兵バリオスが好スタートから引っぱり、前半32.8秒の猛ペースになったとはいえ、冬のダート戦で、また時計のかかっていた今年、圧勝したマイネルセレクトの1分10秒9は速い。ラクに1分9秒台の価値がある(馬場差を考慮すると)。
今回の武豊騎手へのチェンジは、ドバイ遠征を展望してのことで、また、もともと武豊騎手の乗っていた馬だから、本格化に付き合った大西騎手にはちょっとかわいそうだったが、この日の圧勝を見ると確かにドバイへの展望が広がったといえる。当面の相手と思えたディバインシルバー、ブルーコンコルドがハイペースの2〜3番手にいるのをみながら、四コーナー手前からねじ伏せるようにまくり切っての強い勝ち方だった。初の58.5キロもまったく応えていない。
もう良く知られるように、ファミリーは祖母がハギノトップレディ。イットー、ミスマルミチ、キューピットとさかのぼる日本の名牝馬の持つ柔軟なスピード能力は、代を経ても少しも失われていなかった。そういう名牝系に現代のミスプロ系フォーティナイナーの活力あふれるスピードがうまくマッチし、これでダートの短距離[7-3-1-0]。このあとは根岸Sを使う予定というが、同じ左回りの新潟ダート1200mには1分9秒6がある。軽いダートの方がもっといいだろう。
ブルーコンコルドは前走がプラス20キロで、今回がマイナス20キロ。前々走の東京1400mを1分23秒5のレコードでシャドウスケイプに0.4差完勝の能力(初ダート)は本物だった。今回もシャドウスケイプには0.6秒先着。
堅実な差し馬シャドウスケイプを物差しにすると、こちらも重賞はすぐ勝てる。ディバインシルバーは少し行きたがってしまったが、今回ははっきり力負け。また公営のハタノアドニス(8歳)は、いま、芝からのスタートの中山ダート1200mは苦しく、行けなかった。