ビリーヴが引退し、古馬の短距離路線の勢力図も大きく変わりそうだ。まだまだベテラン勢も侮れないが、時計勝負、スピード優先のこの路線、若いグループが中心になることはいうまでもない。
注目のギャラントアローは、G1マイルチャンピオンSこそ寸前まで粘りながら、あと一歩(0.3秒差)の3着にとどまったが、すでに3歳夏、58キロのファルコンSを制し、秋には古馬相手のスワンS(G2)を圧勝している。全4勝が1400m以下のスプリンタータイプで、それも軽い感じではなく迫力で押すスピード型。58kgも、この時期だけに心もち時計がかかるのも有利だろう。
パワフルなスピード能力は、父リンドシェーバーからはもちろんだが、牝系から受け継いだ面も大きい。祖母はギャラントコーラス(その父ギャラントマン)で、その半姉が同じく日本に輸入されているハワイアンドーン(父カウアイキング)。
ハワイアンドーンは、スプリンターズSを2度も制したメイワキミコの母となった。メイワキミコはスプリンターズSを良でも、重馬場でも勝っている。重馬場の鬼ハワイアンイメージ(父ファーザーズイメージ)も、ハワイアンドーンの産駒。皐月賞馬だが、スプリンターズSを3着したこともある。
さらにプロメイド(父マルゼンスキー)も同馬の産駒になる。
ギャラントアローの血統構成は、メイワキミコ(ギャラントマン)ときわめて似たところがあり、快速馬にしてパワフル。ギャラントアローもやがてスプリンターズSに挑戦するような馬に育つこと必至だろう。
中山11Rは、今度は一転して差しに回るはずの53キロのユキノサンロイヤルから入る。中山の1600mこそベストだ。