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凱旋門賞と新潟内回りに見る系統のククリ方

  • 2014年10月10日(金) 18時00分


◆毎日王冠注目血統は…

 凱旋門賞は父ノーザンダンサー系が1-3着を独占。と書いても、凱旋門賞の出走馬の大半がノーザンダンサー系であることは、誰でも知っていることでしょう(しかも1-3着馬はいずれもサドラーズウェルズとダンチヒ系の配合馬でした)。

 けれども、日本では「父ノーザンダンサー系」というククリでも馬券が有効に作用する局面は多々あります。

 たとえば9月28日の新潟7レースは父ノーザンダンサー系が3頭のみ。このうち2頭が1、2着。3着はディープインパクトで3連単は25万馬券。

 メインのオールカマーも父ノーザンダンサー系の出走馬は2頭。このうち2頭が1、3着。2着はディープインパクト産駒で3連単は25万馬券。

 どちらのレースも新潟芝内回りの2200m以上。ホームページで推奨して的中させたレースです。なんて自慢したいわけではなく、血統で馬券を活用する際には「細かいククリ」よりも「大きいククリであっても」高配当を絞って取れるレースを狙い撃ちする手こそが有効だと、凱旋門賞でも改めて実感するのです。

 日本から見れば「サンデー系」は大きすぎるククリですが、フランスでは「サンデー系」のククリでも少数派に属します。

 凱旋門賞を見れば、フランスの標準馬場では、サンデー系が主流系統にはなれないと実感できます。フランスのスタンダードは、ジャパンカップのような適性が要求されないから、ノーザンダンサー系が大半を占めてしまうのです。

 中級者にはあたり前の話で恐縮ですが、フランスではジャパンカップのような適性が問われる馬場は「ズレた馬場」であり、凱旋門賞のような適性が要求される馬場は日本では「ズレた馬場」なのです。(凱旋門賞のレース前に栗山さんとの雑談を掲載しましたが「凱旋門賞は馬場が湿ったほうが日本馬の好走率は上がる」ことが話題に出ました。これも、馬場が湿ったほうが欧州の主流適性とはズレて差しが決まるからなのかもしれません)

 つまり「大きな血統のククリ」で馬券を取るには、その国の主流とは「ズレた適性」を要求されるレースを嗅ぎ分ける(選別する)ことが重要なのです。

 先々週の新潟芝のように「ズレた」馬場を狙い撃てば、ノーザンダンサー系のような「大きなククリ」でも25万馬券を連続的中できるのです。

「そうは言っても、新潟7レースも、オールカマーも超主流のディープインパクト産駒が馬券になっているじゃないか」そうなんです。競馬はそんなに単純じゃないんです(笑)。思えば、ディープインパクト自身もノーザンダンサー天国の凱旋門賞で3位入線しましたし。

 さて、先週のスプリンターズSの勝ち馬はスノードラゴン。父はグレイソヴリン系。グレイソヴリンは1948年生まれですから、このククリは、年代を無視した大きすぎるククリですが、そんな大きすぎるククリでも馬券的には有効に作用することに馬券的意義があるわけです。

 実際スプリンターズSもグレイソヴリン系の出走は2頭のみでした。なんて得意気に書いてますが、3連単は100円しか取れなかったのは、今にして思えば、痛恨です(大半のレースが終わった瞬間は痛恨ですが)


 なお、グレイソヴリンの血を持つ馬を過去5年の重賞で買い続けた場合。重賞159レース中、32レースで複勝回収率が110%を超えます。ちなみに、ディープインパクトの産駒を同じ手法で買った場合、110%を越えるのは37レース。ディープインパクトとグレイソヴリンは50年以上時代が離れていることを考えると、馬券的には優秀なククリではないでしょうか。

 今週末の毎日王冠はグレイソヴリンの血を買うだけでプラスになった32レースのうちの1つ。当レースではグレイソヴリンの血を持つ馬が5頭馬券になり、複勝回収率は152%(昨年、一昨年はジャスタウェイが2着。2011年はミッキードリームが3着)

 今年の毎日王冠でグレイソヴリンの血を持つ馬はエアソミュール、サンレイレーザー、ダイワファルコン、ミッキードリーム。個人的にこの中から買いたいのはエアソミュールです。最終予想は亀谷ホームページで。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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