◆松田国調教師いわく「とにかく諦めない、しぶとさを持っていた」と評価する高野調教師
厩舎スタッフから角居、友道両調教師など数々の名トレーナーを出してきたのが松田国厩舎。調教師になるような人間は従業員時代からキラリと光るところがあるもので松田国調教師いわく、角居調教師は「自分がいない時に他のスタッフにレクチャーできる能力があった」し、友道調教師は「都会的なセンスを持っていた」。
そしてもう一人。松田国厩舎に8年在籍し、2011年に開業した高野調教師については「とにかく諦めない、しぶとさを持っていた」と評価する。
「彼の担当馬に蹄葉炎になった馬がいたんですが、根気よく面倒を見て、準オープン馬にまで育て上げた。大したものだと思いました」
そんな高野調教師の現在を見て「攻めているな」と松田国調教師は感心するという。
「周りが見えてくると僕なんかでも、これはちょっとやめておこうかという守りの気持ちが出てしまうんですが、今の彼にはそれがない。勝負事で大きいところを勝とうとするには、やはり攻めの姿勢でいかないとダメ。それを彼はできている」
“攻めている”といえば、秋華賞のショウナンパンドラはまさにその典型かもしれない。この中間は紫苑S(2着)の11日後から早くも時計を出し始め、先週までに坂路で速い追い切りを2本も消化(いずれも登坂2本目に追い切っているから相当な負荷)。日曜(12日)にも4ハロン57.6-12.9秒という時計を出している。ビシッとした追い切りは1本だけで臨んだ前走とはまさに雲泥の差。それだけ馬のデキがいいことももちろんだが、GIに向けて攻めてきているのが一目瞭然だ。
ローズSの勝ちっぷりからヌーヴォレコルト断然ムードが漂う今年の秋華賞だが、攻めに転じたショウナンパンドラが大勢逆転の一撃をお見舞いする可能性は少なからずあると思っている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)