アメリカで最も高い評価を受け、また破格の種付け料で知られる種牡馬ストームキャット(その父ストームバード)は、その直仔も、またその父系の産駒も、日本ではあまり評価が高くない。先週の京成杯を制したフォーカルポイントの母の父がスプレンディドモーメント(その父ストームバード)だが、なんとなく亜流の印象を与えるほどだった。
名種牡馬ストームキャット産駒の、本当に高額の良質馬は日本にきていないという見方もあるが、どうもこの系統、あまりにアメリカ色が濃すぎて一本調子。追って切れるとか、緩急のペースをこなすとかの日本向きの味がない。多くの産駒がワンペースで、ただやみくもに・・・失速。下級条件のダートなら確かに最初のうちは走るが、成長力とか、総合力を感じさせない。
ストームキャットの代表産駒タバスコキャット(プリークネスS、ベルモントSの勝ち馬)は日本にきて、今年の夏からその産駒がデビューするが、距離をこなしたストームキャットの代表産駒、どんな仔を送るのかきわめて興味深い。
ダイワフォーチュンの父マウンテンキャットは、ダートの6ハロンを中心に11戦6勝のストームキャット直仔。たしかに豊かなスピードを伝え、ダイワフォーチュンは芝で4勝していた。ところが前走、格上の芝1200mのクリスマスCに出走したところ、突然のダート変更(雪で)。ダイワフォーチュンはダートに出走したことがなかった。しかし、好スタートからマイペースになったとはいえ、しぶとく3着に粘っている。血筋通り、明らかにダート適性十分だった。芝の坂でも追って伸び、1600万の芝1400mを1分21秒4で2着しているほどだから、使ってはいなかったものの、本当はダートの方がいいと考えれば、ダート2度目の今回はチャンスだ。ストームキャット系にしてはこの馬、ワンペースでもなく追って差す形もとれるのである。