もまれない外枠はかえって有利
11月23日(日)のGI「マイルCS」に向かおうとするグループの有力な前哨戦。ただし、いつもマイルCSの直前になって思うのは、富士Sの上位組は時計も十分すぎるほどであり、東京のマイル戦をこなしたからGIの有力馬になっても不思議ではない。と最初は考えるものの、しかし、いざGIのマイル戦となると……、その底力や総合能力を考え直したい馬が大半になることが多い。
実際、富士Sが10月のこの時期になって過去14年、ここをステップにマイルCSを勝ったのは、2002年のトウカイポイント(富士S5着)と、2011年エイシンアポロン(富士S1着)の2頭にとどまる。2着は2010年ダノンヨーヨー(富士S1着)など3頭いるが、合わせて14年間のマイルCS連対馬28頭中の「5頭」。
味のあるメンバーは揃うが、GIの有力なステップレースのようでいて、案外そうでもなく、京成杯AH組などが主役になるいかにもGIIIらしいマイル戦がその特徴か。
ベテランに近い5歳馬の快走が目立ち、3歳馬の台頭はあまり多くないという傾向があるのは承知で、3歳クラシック路線からこちらに回ってきた3歳
ステファノス(父ディープインパクト)から入りたい。春の「毎日杯」1800mでは、直線一度は先頭に立ちかけたところを内からマイネルフロスト(父ブラックタイド)にすくわれ、ハナ、クビ差の同タイム3着。つづく「皐月賞」は、直線に向いて一度はイスラボニータ、トゥザワールドに迫ろうかという5着(0秒4差)だった。負けたのは菊花賞や天皇賞・秋の有力馬である。
前回のセントライト記念はやっぱりイスラボニータの4着どまりだったから、菊花賞路線を外れたが、苦しい位置に入ってどうみても脚を余した印象がありながら、勝ったイスラボニータと0秒2差だった。本質はマイラータイプか。
祖母はGI格の南部杯など、ダートの重賞5勝含む全9勝を挙げたゴールドティアラ(父シーキングザゴールド)。そこにクロフネを配したのが母ココシュニック(3勝)。マイラー色は十分に濃い。ディープインパクト産駒は、この富士Sにここまで3頭が出走し【1-2-0-0】という成績があるが、ステファノスは、いまのところGIというには総合力不足でも、GIIIのマイル戦なら…いかにもそんなイメージである。東京のマイル戦はもまれない外枠はかえって有利。まして3歳のこの馬は馬群の真っ只中は歓迎ではない。
有力候補があふれるから、相手を絞るのに苦心するが、ここ3戦は決して能力通りではなく、全然まともなレースはしていないという意味で5歳
エキストラエンド。田辺騎手で勝った星がある。そして、ここならまず崩れそうにない
ダノンシャークが本線。奇しくもみんなディープインパクト産駒となった。
人気は割れるだろうし、買い方は難しいが、人気のないところでは、絶好調
シャイニープリンス(父キングヘイロー)はぜひ相手に入れておきたい。