競馬は時計比較ではないが…
週末の天気は崩れる予報だが、土曜日の降雨量予測は、京都競馬場近辺は2-3ミリにとどまっているので、高速の芝コンディションに与える影響は少ないだろう(という設定)。
ここ数年、秋の京都と、春の京都は超高速の芝になる。「決して時計の速い馬場を目指しているのではない」と、近年のJRAの競馬場は意思統一されているが…。競馬場によって、季節によって時計差が生じるのは当然だが、それにしても京都は…である。
トーホウジャッカルの3000m3分01秒0の驚異のレコード(9年前に圧勝のディープインパクトは3分04秒6)だけでなく、1200mでは日本レコードに近い1分06秒7が飛び出し、スワンSの行われる1400mは、内回り、外回りの差はあるが、開催1-2週目に2歳の芝1400m戦が4鞍行われたが、未勝利も新馬もみんなそろって「1分21秒台」の高速決着だった。
注目の
ミッキーアイルは昨年の11月1週目、2戦目の芝1600mを「1分32秒3」のレコードで独走している。1400m通過は1分20秒4だった。同じ高速の京都だからあのスピードを信じてもいいが、今春の京都の安土城Sでは、今回出走する
ウイングザムーンの1分20秒4を筆頭に、
サンライズメジャーも、
ニンジャも、
サクラアドニスもみんな1分20秒台だった。
フィエロは4月のマイラーズCを2着し、1600m1分31秒6だった。あのレースの1400m通過は1分20秒1である。いや、
タガノブルグ(今回は調教平凡で人気なし)は、その前日、3歳馬ながら1400mを「1分19秒6」で勝っている。
競馬は時計の比較ではないが、中距離はともかく、短距離戦と、長距離戦はつまるところ時計の勝負でもある。1200mを1分06秒台の馬や、3000mを3分01秒0の勝ち馬には、ほかの馬はどうやっても追いすがれない。したがって、みんなが異常に速い時計を持つ、京都特有の高速持ちタイムを比較しなければならないレースは難しい。
行くミッキーアイルをマークして追走できるフィエロ(父ディープインパクト)から入りたい。体質が弱く休み休みだが、1分31秒4のコースレコードで抜け出したワールドエースを、上がり33秒2で0秒2差に追い詰めたスピード能力は、ミッキーアイルと互角だろう。ミッキーアイル57キロ対フィエロ56キロの利。マークできる位置も有利だ。
3番手は負坦重量に注目して、ずっと58以上だったが、今回は57キロで戦える
サダムパテック。京都ではなく、東京の京王杯SCに1分20秒1の勝ち星がある。
安土城S(京都芝1400m)組では、今回はサンライズメジャーが筆頭か。レース内容良化の
ベルカントも京都のこの距離なら折り合いも、坂も関係ない。53キロでミッキーアイルを追走できる。