強力なペースメーカー不在のマイル戦。前半35.1-41.0-59.0秒…は、予想された通り明らかにスローだった。外枠のウインラディウスは休み明けもあって「かからずになだめる」のがテーマだったが、3コーナー過ぎからかかり気味に進出。4コーナーではもう先頭に並ぶ位置まで上がっていた。
しかし、いかにスローで楽に先行したとはいえ、後半11.2-11.4-11.4秒。ウインラディウス自身は上がり33.7秒だった。2馬身差以上の完勝で、秋に白秋S(1600万)を辛勝だった当時とは一変、大幅にパワーアップしていた。6歳とはいえ、4歳時までは故障がちで7戦しただけ。これで5歳以降は10戦5勝となったことになる。いきなり安田記念を目標とする馬のトップグループに入った。
1分33秒0。これがマイル戦の初勝利だからすばらしい。
2着に突っ込んできたクラフトワークは初のマイル戦。クラフトマンシップの下というイメージがあるせいか、必ずしもマイル向きではないと思え、かつ休み明けの格上がりだったが、上がり33.3秒を記録し、1分33秒3は見事。これは人気のサイドワインダーが凡走したのではなく、ハンデ差があったとはいえ、明らかにスケールの違いだろう。どのレースを目標にするのか難しいが、勝ったウインラディウスと同様、いきなりAランクのオープン馬と考えたい。
キスミーテンダーは一応能力通り。サイドワインダーはコーナーで接触する不利があったというが、それは小さな不利で、いつも通り上がり33.6秒で伸びているのだから、力負けに近いだろう。惜敗続きでピーク過ぎもあったかもしれない。
ミッドタウンはなんとか折り合い、直線インから伸びかけたが、こちらは詰まる不利が大きかった。シベリアンホークは、このペースで先手を取れなくては苦しい。