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トーセンラー、ミッキーアイル、フィエロ、クラレントなどマイルCS分析

  • 2014年11月19日(水) 18時00分


追い切りはもちろん今の京都芝外回り(東京芝も)は枠順を重視しなくてはいけません

 先週のエリザベス女王杯は◎スマートレイアーでした。最終追い切りの内容が文句ないと判断し、推奨させてもらいましたが、見せ場のないレースに終わり、予想の参考にしてくださった皆様には、申し訳ない結果となりました。ごめんなさい。

 外枠(16番枠)になった時点で、◎を変更することも検討しましたが、それでスマートレイアーが勝ってしまっては、後悔してもしきれないと思い、そのまま◎を動かすことはしませんでした。しかし、15日、16日の京都芝外回りのレースを見ていると、どうも、外から差しが決まるイメージが沸きません。その通りのレース結果になったと思いますし、やっぱり今の京都芝外回り(東京芝も)は、枠順を重視しなくてはいけませんね。

【マイルCS/トーセンラー】

 昨年と全く同じローテーションでの出走。中間の追い切り内容も、中長距離に出走する時に使うトラック馬場ではなく、坂路馬場での追い切りに切り替え。2週前の追い切りは地味でしたが、1週前追い切りはトーホウストロングを追走して、きっちり先着する内容でした。

 最終追い切りは単走かと思いましたが、マトリックスコードを追走する併せ馬。前半2Fをゆっくり進めて、3F目に一気に加速。最後の1Fが最も速くなるラップを踏んでおり、この内容は昨年と全く同じ。昨年と違って、速い4F時計をマークする追い切りは1本もありませんが、最終追い切りがこの内容であれば、やはり評価すべき馬ということになりそうです。

トーセンラー(11月18日撮影)

最終追い切りがこの内容であれば、やはり評価すべき馬のトーセンラー(11月18日撮影)



【マイルCS/ミッキーアイル】

 アクシデントとはいえ、そして騎乗者がいなかったとはいえ、1週前に4F49.8秒をマークしただけに、最終追い切りをどこまでセーブしてくるか。その点を心配していましたが、影響を全く感じることのない動きとなりました。

 浜中俊騎手が跨って、坂路で単走。その時計は4F51.2〜3F37.3〜2F24.4〜1F12.4秒。最初の1F目も引っ掛かることなく、後半3Fはすべて12秒台。最後もさほど減速することなく、ゴールできており、コメントとして「放馬がいいガス抜きになった」というのは、まんざらでもないかも知れません。このあと、21日にゲートから調教をするという予定があり、その内容を見届けた上で、この馬に対する印評価を決めたいと思います。

ミッキーアイル(11月18日撮影)

21日にゲートから調教をするという予定がありその内容を見届けた上で評価を決めたいミッキーアイル(11月18日撮影)



【マイルCS/フィエロ】

 前述のトーセンラー、ミッキーアイルが追い切りを終えた後、ローマンレジェンドと一緒に坂路を駆け上がってきました。かなりゆっくりと前半を入って、一気に加速した後半。フィエロが追走していたこともあり、勢いはローマンレジェンドに優っていたように見えましたが、ほぼ同入。時計の4F53.8〜3F38.7〜2F24.4〜1F11.9秒は、後半の伸びが素晴らしいという一言に尽きます。

 スワンSから中2週ということもあり、追い切りは2本ですが、いずれも中身の濃い内容。六甲S時から、緩急のついた追い切りが特徴的な馬ではありましたが、今ではその鋭さに磨きがかかっているように思いますし、前走からの上積みも十分でしょう。

フィエロ(11月18日撮影)

加速した後半の伸びが素晴らしいという一言に尽きるフィエロ(11月18日撮影)



【マイルCS/クラレント】

 毎日王冠3着からの出走となった昨年。11着惨敗には首を捻るしかありませんでしたが、最近の成績を見ていると、寒くなる時期よりも、暑い季節の方が良績を残すのかも知れません。そう解釈すると、サマーマイルでの連勝は納得、また昨年の同レースでの結果はすんなり受け入れることができます。

 今年は昨年とは違うローテーションでの出走。追い切り本数は十分にこなしています。ただ、動きに関してはかなり地味。ラスト1Fが13秒を切る追い切りはありませんでした。これは最終追い切りも変わっていません。寒い時期ということでは、2月の東京新聞杯で勝ち星を挙げていますが、当時は追い切り本数が多く、1週前追い切りはDPでした。冷静に判断すると、今回の追い切り内容から評価できるところはあまりないでしょう。

クラレント(11月18日撮影)

冷静に判断すると、今回の追い切り内容から評価できるところはあまりないクラレント(11月18日撮影)



【マイルCS/サンレイレーザー】

 毎日王冠では、逃げ馬不在のメンバー構成も手伝って、見せ場十分の2着。その後は一旦、放牧を挟みましたが、この中間の追い切り内容も上々。追うごとに前走時の状態に近づいているという感じでした。

 しかし、驚いたのが、DPでの最終追い切り。いつも調教に跨る難波剛健騎手(レースは川田将雅騎手)でしたが、テンからスピード感に溢れており、これは速い6F時計になるだろうという感じ。推測通り、6F73.5秒は自己ベストを更新する数字。これだけの動きを見せられたら、昨年の着順を度外視して、印を回したくなります。

サンレイレーザー(11月19日撮影)

これだけの動きを見せられたら、昨年の着順を度外視して、印を回したくなるサンレイレーザー(11月19日撮影)



◆次走要注意

・11/15 東京 ユートピアS【シャトーブランシュ】(3人/3着)

 4番枠ということもあり、出たなりの位置で脚をためて、直線に向く競馬。しかし、肝心の追い出したいタイミングで前が壁になって、追い出しが遅れ。よく3着まで突っ込んできたという印象でした。
 ただ、今回で東京マイルを経験できたことは良い経験だと思いますし、来春のヴィクトリアMへ向けて、賞金を加算できれば、GIでも好勝負できるはず。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・11/16 東京 2歳新馬【コスモセブン】(5人/9着)

 パドックでの雰囲気は悪くありませんでしたが、追い切り本数が少なく、併せ馬でも遅れ。実戦ではどうだろうと思っていたら、その通りの結果。
 ただ、闘争心を感じるパドックでしたし、一度レースを使ったことで、馬は変わってくるはずです。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りで併せ先着なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【エトランドル
 来週デビュー予定ですが、内田博幸騎手が手綱を握ったCWでの動きが抜群。前半を飛ばしていたので、一緒に見ていた友道康夫調教師に「終いは止まるかも知れませんね」なんて言ってしまいましたが、最後まで力強い走り。これは走りそうです。

【次回公開日変更のお知らせ】
 先週が3日間開催のため次回更新は11月27日18時の公開となります。予めご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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