ホッカイドウ競馬所属時に、芝の札幌2歳Sを制したヤマノブリザードは、クラシック候補として中央に移籍。01年末、いきなり朝日杯FSを2着。いまドバイを展望するアドマイヤドンを追い詰める快走だった。
ところが、3歳以降のこの2年間、12戦して[0.0.3.9]。善戦はするものの、あと一歩伸び切れずのジリ脚質。すっかり評価が下がってしまった。
早熟だったのか、というと、たまたま早くにオープンに出世しただけのことで、決して完成度の高いスピード型ではなかった。
父タイキブリザード(その父シアトルスルー)のイメージが少しダブる。とうとう本物になりきれなかったマチカネキンノホシもそうだったが、タイキブリザードの芝での通算成績は[4.8.2.5]。バテてもいないのにあと一歩ジリというかゴール前の詰めを欠き、タイキブリザードがやっと本物になって京王杯SCを抜け出し、G1安田記念を制したのは6歳時のこと。スケールはあってもなまくら四つでスパッといかないのは、シアトルスルーの血を引く馬の受け入れなければいけない死角なのだろう。サンデー産駒のようには切れない。未完のままで終わる危険も承知で、大事に育て上げないといけない。
超良血のタイキブリザード(シアトリカルの半弟)は、種牡馬となっても実は同じで、中央競馬のオープン馬はこの馬だけ。すっかり評価を落としかけている。
ヤマノブリザードはタイキブリザードをとうとう完成させた藤沢和厩舎。歯がゆい成長曲線はわかっている。オープン特別に目標を下げ、連続してペリエ。それでも花開かない危険は半分あるが、この程度の相手ならもう何とかしたいところだ。明けて5歳、もうさすがに若くはない文字通りの古馬だ。