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「ディープ×Storm Cat」の良血リアルスティール

  • 2014年11月26日(水) 12時00分
カフジテイク(牡 栗東・湯窪幸雄 父プリサイスエンド、母テイクザケイク)
 父プリサイスエンドはエンドスウィープを経てフォーティナイナーにさかのぼる系統で、ダート向きの優れた資質を伝えて種牡馬として成功している。活躍の場は地方競馬が中心だが、中央のダートでもグロリアスノア(10年根岸S-GIII、10年武蔵野S-GIII)が重賞戦線で活躍した。配合的には「Mr.ProspectorとNijinskyを併せ持つ繁殖牝馬」と相性抜群。前出のグロリアスノアを筆頭に、ショウリダバンザイ(浦和桜花賞、ロジータ記念、道営記念)、スプラッシュエンド(OP)、ロラパルーザ(OP)、タケショウカヅチ(準OP)といった同産駒のトップクラスは、ことごとくこのパターンから誕生している。本馬の母テイクザケイクは1000万条件まで出世したダート短距離馬で、繁殖牝馬としてはテイクアベット(父サクラバクシンオー/サマーチャンピオン-JpnIII)などデビューを果たした4頭がいずれも2勝以上を挙げるという好成績。母の父スキャンは「Mr.Prospector×Nijinsky」なのでプリサイスエンドの成功パターンを踏襲している。ダート向きのスプリンター〜マイラーだろう。

ショーピース(牝 美浦・南田美知雄 父スクリーンヒーロー、母カレンダーガール)
 半兄プーラヴィーダ(父フィガロ)は兵庫チャンピオンシップ(JpnII)3着、東京ダービー2着などの成績を残した。父スクリーンヒーローは現役時代、ジャパンC(GI)とアルゼンチン共和国杯(GII)を勝ち、天皇賞・秋(GI)でも2着に食い込んだ。種牡馬としてはレベルが高いとはいえない繁殖牝馬を相手に、ゴールドアクター(14年菊花賞-GI・3着)、モーリス(14年スプリングS-GII・4着)、クライスマイル(14年レパードS-GIII・2着)、ミュゼエイリアン(14年札幌2歳S-GIII・4着)、オーシャンヒーロー(13年黄菊賞-500万下・3着)などの活躍馬を送り出している。いま最も注目すべき若手種牡馬の1頭だ。スクリーンヒーローの3代母モデルスポートはTom Fool≒Spring Run 2×3が配合の肝で、これがダイナアクトレス以降の牝系発展に大きな役割を果たしたと思われる。本馬の母カレンダーガールはTom FoolとSpring Runを併せ持っているのでこれを継続している。芝・ダート兼用のマイラー。

ペブルガーデン(牝 美浦・大竹正博 父ディープインパクト、母ワシントンシティ)
 ラトルスネーク(父タニノギムレット/11年アーリントンC-GIII・4着、13年阪神C-GII・5着)の半妹。デビュー戦で圧倒的なパフォーマンスを披露したタイダルベイスン(父アグネスタキオン)の4分の3妹でもある。母ワシントンシティは南米のチリオークスを制し、同国の3歳牝馬チャンピオンに選ばれた名牝。本馬は Lady Rebecca≒Thornton Hill 4×3という4分の3同血クロスが必殺の仕掛け。母ワシントンシティは気性的にも肉体的にも危うさを感じる血統だが、当たればホームランという高いポテンシャルを秘めているのも事実。異系色の強い血統だけに上記の4分の3同血クロスはうまく行くのではないか。気性面の問題がなく折り合いがつくようなら芝中距離がベストだろう。

リアルスティール(牡 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー)
 「ディープインパクト×Storm Cat」はキズナ(13年日本ダービー-GI)、ラキシス(14年エリザベス女王杯-GI)、アユサン(13年桜花賞-GI)、ヒラボクディープ(13年青葉賞-GII)、エイシンヒカリ(5戦全勝)、サトノアラジン(14年共同通信杯-GIII・3着)、ラングレー(14年毎日杯-GIII・4着)などが出ているニックス。JRAで出走した26頭のうち現在18頭が勝ち上がるというハイアベレージを記録している。本馬はラングレーの全弟。母の父はStorm Catで、2代母MonevassiaはKingmamboの全妹なので、母ラヴズオンリーミーは短距離王ロードカナロアの配合(Kingmambo系×Storm Cat)をひっくり返したような構成となっている。11月8日、仏サンクルー競馬場のデビュー戦を7馬身差で勝ち、来年の仏クラシックの有力候補となっているTale of Life(牡2歳)は、父が同じで母同士が4分の3同血なので血統構成がきわめて近い。本当に良くなるのは古馬になってからもしれないが、高いポテンシャルを感じる配合なので期待したい。

ローブディアンジェ(牝 栗東・今野貞一 父ネオユニヴァース、母ベルベットローブ)
 母ベルベットローブは優れた繁殖能力の持ち主で、これまでにデビューを果たした5頭はいずれも勝ち上がり、そのなかにはアドマイヤサガス(父フジキセキ/14年北海道スプリントC-Jpn3)、ローブデソワ(父スペシャルウィーク/準OP)が含まれている。父ネオユニヴァースはやや鈍重なところがあるので、代表産駒ヴィクトワールピサ、ロジユニヴァースは母方にMr.Prospectorを持っている。本馬の母の父はGone Westで、その父はMr.Prospectorなのでセオリー通りの配合だ。ネオユニヴァース産駒は牝馬よりも牡馬が走りやすい傾向が見られるので、その点がどうかだけだろう。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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