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共同通信杯

  • 2004年02月09日(月) 12時19分
 東京の芝1800mはスローで流れることが多いが、恵まれての好走はめったになく、この距離を好時計で乗り切った馬は「時計通り」の価値があることは知られる。

 このレースを1分47秒台で勝ったのは94年ナリタブライアンの1分47秒5。97年メジロブライトの1分47秒5。01年ジャングルポケットの1分47秒9。88年ミュゲロワイヤルの1分47秒9。史上4頭だった。

 今年、例年より好時計の出る芝だったとはいえ、マイネルデュプレは1分47秒4。ましてレースの流れは1000m通過60.9秒のスローで、勝ったマイネルデュプレはほとんど最後方に近い位置から[12.3−11.3−11.5−11.4秒]の後半を、上がり33.3秒で大外から一気に差し切ってしまった。記録の上からはナリタブライアン、ジャングルポケット級である。素晴らしい好内容だった。

 もう1つ。時計だけでなくマイネルデュプレが強気になれるのは、2着が朝日杯FSのアポインテッドデイだったこと。朝日杯組のレベルの高さは知られるが、中でもアポインテッドデイは恵まれた3着ではなく、メイショウボーラーを追走しての小差3着。フォーカルポイント、グレイトジャーニー(のちの京成杯とシンザン記念馬)に先着している。このアポインテッドデイは「能力基準馬」の1頭に違いなく、これを大外一気はすごい。

 ザグレブもそうだが、ペンタイアも逆輸出されたとたん、とてもそれまでのペンタイア産駒とは思えない馬を送ったから不思議だ。

 このマイネルデュプレ。ムリ使いしていない。活力あるファミリー。母父トニービンの切れも受けている。文句なしの候補に入った。

 アポインテッドデイを基準にすると、ナムラシーザーは東京なら、時計がかかると怖い馬。ブラックコンドルなどもとりあえずは脱落したことになる。牝馬レディインブラックはかつてのブリガドーンを同じで、ここは使ってはいけないレースだったろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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