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アッシュゴールド、ブライトエンブレム、ダノンプラチナなど朝日杯FS分析

  • 2014年12月17日(水) 18時00分


阪神芝1600mへの舞台変更がどのような影響を及ぼすのか、非常に興味深い朝日杯FS

 阪神芝1600mで行われる朝日杯FS。舞台変更がどのような影響を及ぼすのか、非常に興味深いところですが、近年は小粒だった出走メンバーが今年はきっちりと収得賞金を獲得している馬が出てきました。特に美浦所属馬が栗東に滞在して追い切ってくれたことは、栗東で取材する私にとってはうれしいかぎり。最終追い切りを含めて、馬体や走りなどをじっくりと見させてもらえたことは来年にも繋がってきそうです。

 そして、気は早いのですが、有馬記念1週前追い切りも行われています。トレセンニュースにも取り上げましたが、ゴールドシップとジャスタウェイの豪華な併せ馬には少々驚きましたが、その内容でジャスタウェイが先着したことにもっと驚き。ジャスタウェイは「持ってる」馬だけに、今週の動きなら有終の美を飾っても不思議ない、そんなイメージすら沸いてきました。まっ、有馬記念の結論は当然、来週の最終追い切りを待ってからになりますが。

【朝日杯FS/アッシュゴールド】

 17日16時現在のnetkeiba.com予想オッズでも1番人気しているように、注目度はこの馬でしょう。デビュー当初は走るまでに時間を要しそうな印象でしたが、2走前の未勝利戦からデイリー杯、そしてこの中間と、ぐんぐん馬の状態が良化している印象に変化。1週前追い切りを見た時点では、やはり本命はこの馬だろうと思っていました。

 ただ、本命にするには客観的な基準を設けていましたが、それには該当せず。よって、週末のNo.1予想で◎を打つことはないと思いますが、最終追い切りの動きは力強い内容でした。ちなみに、2F目のラップが1F目のラップより遅いのは、前走時と同じ。よって、ちぐはぐなラップになったからといって無印にする必要はありませんが、きれいな加速ラップを踏めないあたり、まだまだ成長の余地があるのも事実でしょう。

アッシュゴールド(12月16日撮影)

無印にする必要はありませんが、きれいな加速ラップを踏めないあたり、まだまだ成長の余地があるアッシュゴールド(12月16日撮影)



【朝日杯FS/ブライトエンブレム&ダノンプラチナ】

 最終追い切りで併せ馬を行った2頭。11月から栗東に滞在しているブライトエンブレムに対して、ダノンプラチナは先週、栗東へ移動したばかりですが、栗東滞在に慣れている国枝栄厩舎ということもあってか、ダノンプラチナの存在感はなかなかのもの。

 最終追い切りでは、ラスヴェンチュラス、ブライトエンブレム、ダノンプラチナの隊列でスタート。適度な間隔を保ったまま、直線に向いて、最内ダノンプラチナ、真ん中ブライトエンブレムで追い比べ。というよりも、ダノンプラチナの手応えが非常に良く、最後は頭ひとつ最内が出る形。ブライトエンブレムも1週前追い切りでは動きが目立っていただけに、それを馬なりで交わしてしまうのだから、ダノンプラチナの性能も相当高いのでしょう。

 今回の栗東滞在、中身=量ならブライトエンブレムですが、動き=質ならダノンプラチナ。果たして、これがどのような結果になるか、楽しみですが、個人的には牡馬のGIということを考慮すれば、前者を評価したいところ。

ブライトエンブレム(中)&ダノンプラチナ(内)(12月17日撮影)

中身=量ならブライトエンブレム(中)、動き=質ならダノンプラチナ(内)ですが個人的には前者を評価したいところ(12月17日撮影)



【朝日杯FS/クラリティスカイ】

 前走いちょうSは中1週と厳しいローテーションでしたが、きっちり結果を出すことができました。それにより、今回はレース間隔をあけて、しっかりと調整。ここまでの追い切り内容に関しては、特に心配する点はありません。

 CWでの1週前追い切りではヴォルシェーブに見劣る動きでしたが、相手はめちゃくちゃ攻め駆けする馬。この馬としては、まずまず走れていましたし、最終追い切りでは、遅れそうになりながらも、ジェラルドにきっちり先着。少し反応の鈍いところが、GIでどのような影響を及ぼすか気になる点もありますが、仕上がりは悪くありません。

クラリティスカイ(12月17日撮影)

少し反応の鈍いところがどのような影響を及ぼすかは気になるが、仕上がりは悪くないクラリティスカイ(12月17日撮影)



【朝日杯FS/アクティブミノル】

 2週続けて武豊騎手が跨って、CWでの単走追い切り。前走時の最終追い切りが坂路で、2F24.8秒、1F12.1秒を馬なりでマークしていただけに、それを考えると、今回の最終追い切りでマークした、6F85.4秒、1F13.0秒は少し物足りない時計に思えます。

 本来なら4か月ぶりの前走を叩いて、今回は上昇してのレースとなるはずですが、1週前追い切りを含めて、ピンとくるような動きを見せていない点は気になります。また、前走時の最終追い切りで見せた動きからも、重賞を勝った1200mという距離に適性が高い印象も拭えません。

アクティブミノル(12月17日撮影)

1週前追い切りを含めて、ピンとくるような動きを見せていない点は気になるアクティブミノル(12月17日撮影)



【朝日杯FS/タガノエスプレッソ】

 2走前の未勝利1着時は最終追い切り坂路で自己ベストを更新する4F時計をマークし、前走はCWで最終追い切り。追い切り場所に関しては、しっかりとした併用タイプで、阪神芝1600mという舞台設定には、かなり適性が高いと見ています。

 最終追い切りはCWで3頭併せとなりましたが、カネトシマーシャルには追いつけない形。遅れは決してプラスではありませんが、前走時もカネトシマーシャルに遅れていました。それで1着という結果ですから、遅れは気にしなくてよいでしょう。それよりも、この中間も追い切り本数をしっかり積むことをできた点を高く評価したいと思います。

タガノエスプレッソ(12月16日撮影)

この中間も追い切り本数をしっかり積むことをできた点を高く評価したいタガノエスプレッソ(12月16日撮影)



◆次走要注意

・12/13 阪神 2歳未勝利【チェリーシェイディ】(4人/3着)

 後方からのレースになりましたが、直線でややラッキーな進路を選ぶことができて、3着確保。実力以上に運があっての着順にも思えますが、それでもメンバー最速上がりをマーク。これで阪神芝での2戦はともにメンバー最速上がりをマークしました。
 もちろん、次走の狙いも阪神芝。最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップの追い切りなら、次こそ勝ち負けでしょう。

[メモ登録用コメント] [阪神芝]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・12/14 阪神 2歳新馬【サウンドバーニング】(4人/2着)

 卒のないレース運びで、直線半ばでは勝利を確信。ところが、外から脚色の違うナガラフラワーが突っ込んできて、最後はあっさりと交わされました。
 ただ、これはレースの綾。早く抜け出すとソラを使うことを考慮した結果なので、力負けではないでしょう。次も安達昭夫厩舎の勝負調教、DP追い切りなら。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがDPなら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【メイショウヒコザ
 以前にも当欄で取り上げましたが、ダート1200mを待って今週デビュー。直線、少し追い辛い面を見せる馬ですが、スピード能力は新馬の水準以上。ゲートを決めれば、楽に勝つことができそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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