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きさらぎ賞

  • 2004年02月16日(月) 13時06分
 候補として注目のブラックタイド=武豊は若駒Sと同様に好位抜け出しの正攻法の策を取った。必勝の安全策であると同時に、たんぱ杯、若駒Sの内容から、武豊騎手はこの馬はサンデー産駒の中では、タメても爆発力のある馬ではなく、早めに抜け出して力のレースに持ち込むのが現状ではベストと考えている気がする。事実、若駒Sは完勝にはちがいないが、並んできたケージーフジキセキをスパッとは突き放せなかった。光る部分が乏しい。

 今回も早め早めの進出。レースの流れは前半60.3−12.5−11.8−11.7−11.7秒。先行馬向きの上がり35.2−11.7秒だったから、抜け出したブラックタイドに理想の形だった。これをマークしていたマイネルブルック=藤田は、ペースの上がった3コーナー過ぎから気合をつけての追い通し。手ごたえ、位置どりからするととても差し切れそうに見えなかったが、ゴール前1ハロン、明らかにスケール(才能)の差が出た形だった。

 もちろん、1分48秒0(上がり35.0秒)で乗り切り、賞金の上ではクラシック出走権確保のブラックタイドは候補として合格なのだが、クビ差以上に能力差歴然。陣営の落胆は大きいだろう。勢力図の中で、有力馬ではあっても勝つ可能性の乏しい馬となった。

 マイネルブルックは3走前の葉牡丹賞で猛然と追い込み、2分1秒0(上がり35.3秒)が示す通りの能力を爆発させた。クラシックを展望する馬とすると、夏から休みなしの連続9戦目。これで4〜5月にピークに持っていけるのだろうかの心配は大きいが、対ブラックタイドには着差「クビ」以上の完勝。大跳びで、あまり早めに動かない方がいい迫力の追い込み型。ダービー向き。どんなローテーションを取るか注目したい。マイネル・コスモ勢は十分揃っている。最大目標をダービーに・・・の気もする。

 3着ハーツクライ以下にも成長株はいるが、とりあえず、表の路線からは1〜2着馬以外は消えた。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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