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エピファネイア、ゴールドシップ、ジャスタウェイなど有馬記念分析

  • 2014年12月24日(水) 18時00分


馬券的妙味がある馬がたくさんいるので難しい有馬記念になりそう

 先週の朝日杯FS。当コラムでは動きの良さを指摘したダノンプラチナでしたが、最終的に追い切り本数の少なさが致命的になると思い、無印評価にしました。完勝されたレース内容を振り返ると「追い切り本数なんて関係ないやん」と指摘されても仕方ありません。しかし、私の場合は常に調教適性を重視して予想しています。よって、その結果、無印にした馬に勝たれたとしても、割り切ることにしているので、この態度を「無責任」と思われてしまうかも知れません。

 でも、自分が根拠ある予想で外してしまったのですから、ごめんなさいと謝る以外には、やるべきことはありません。今度、ダノンプラチナの取捨については、相当頭を悩まされることになりそうですが、その時はまた、調教適性で予想するだけ。先週の分も、今週で一気にスカッとしたいところですが、それにしても、難しい有馬記念になりそう。馬券的妙味がある馬がたくさんいると思っています。

【有馬記念/エピファネイア】

 トレセンニュースでもお伝えしたように、最終追い切りをCWで単走、川田将雅騎手が跨って行いました。実は、追い切り前は角馬場でデニムアンドルビーらと一緒に運動をしていたため「ひょっとしたら、今日は併せ馬」なんて、ちょっとわくわくしてみました。

 これまで、気持ちを乗せすぎないために、単走、そしてソフトな追い切りに努めていた馬。それがこの秋から、しっかりと強い調教を課し、頭数の多い時間帯でも追い切りができるようになりました。特に前走後は、精神的な成長を感じる素振りを見せることが多くなっています。普段の坂路キャンターも以前ほど行きたがらなくなっていますし、とにかく落ち着きが増した印象。しかし、いざ走ると最終追い切りのように、きっちり時計が出ていますし、やはり、進化したエピファネイアになっていることは間違いありません。

エピファネイア(12月24日撮影)

きっちり時計が出ていますし、やはり、進化したエピファネイアになっていることは間違いないエピファネイア(12月24日撮影)



【有馬記念/ゴールドシップ】

 画像は12月23日、坂路馬場でのキャンターですが、この時から力強いフットワークが非常に印象的でした。凱旋門賞からレース間隔があいた今回、帰厩が遅くなり、追い切り本数が標準程度しかない点は気になりますが、馬体の充実ぶりは本当に目立っています。

 最終追い切りには岩田康誠騎手が跨りましたが、アドマイヤランディが止まって見えるくらいに迫力ある動き。24日の坂路馬場はラスト1Fでもがく馬が多い状態でしたが、本馬にとっては関係なし。スイスイと駆け上がる姿を見ていると、本当に今が絶好調、そんな印象を受けます。

ゴールドシップ(12月23日撮影)

坂路をスイスイと駆け上がる姿を見ていると本当に今が絶好調、そんな印象を受けたゴールドシップ(12月23日撮影)



【有馬記念/ジャスタウェイ】

 凱旋門賞後、栗東へ帰厩してからの本馬は調子が上がってこず、本来動くはずの併せ馬でも、全く見どころがない走りを見せていました。それゆえに、前走は大きく評価を下げて予想しましたが、結果は2着。調子が悪くなかったと判断する方もいるかも知れませんが、あくまで私は能力で2着になっただけと思っています。

 要するに、本調子になれば、JCで完敗したエピファネイアにも十分逆転できると思っています。1週前追い切りのゴールドシップとの併せ馬では、相手を寄せ付けない走りを見せており、前走からは間違いなく上昇している動きでした。最終追い切りは併せた相手が頼りなかったこともあり、あっさりと先着しましたが、その素軽い動きは前走時にはなかったもの。距離を不安視する方もいますが、これに関しては調教を見る限りではなんとも言えません。

ジャスタウェイ(12月23日撮影)

最終追い切りでの素軽い動きは前走時にはなかったジャスタウェイ(12月23日撮影)



【有馬記念/ラストインパクト】

 2014年を振り返ると、ここまで8戦を消化。普通に考えると、使い詰めで上積みがないと思いがちですが、実際に馬を見ていると、ここ数戦の充実ぶりが凄くて、疲れどころか、上積みしかないのがこの中間の様子。とにかく普段のCWでのキャンターが目立ちまくっています。

 最終追い切りは単走、しかも時計が遅かったことで、余計に上積み感がないと思います。しかし、本当に弾むフットワークは見ていて、こちらが気持ちよくなるくらい。中間はトラック調教なので、有馬記念の調教適性という意味では、やや劣るところはありますが、見た目の印象なら、間違いなく◎を打ちたい状態です。

ラストインパクト(12月24日撮影)

有馬記念の調教適性という意味では、やや劣るところはありますが、見た目の印象なら、間違いなく◎を打ちたい状態のラストインパクト(12月24日撮影)



【有馬記念/ジェンティルドンナ】

 ジャパンCが不完全燃焼ということで、有馬記念への出走を表明。2500mという距離に加えて、中山競馬場が初めてなど、不安要素が多いのは、他の有力馬と大きく違う点。また、今回が引退レースというところが、取捨選択の難しさに拍車をかけるかも知れません。

 しかし、個人的には、中3週で2本の追い切り。これでバッサリと無印にする予定。3歳冬のシンザン記念では、同じ中3週で2本の追い切りでも優勝した経験がありますが、3歳秋以降、GIに出走した中3週は3走はすべて3本以上の追い切りを消化していました。有馬記念に対する調教適性という意味でも高い評価はできないと思います。

ジェンティルドンナ(12月23日撮影)

追い切り本数も少なく、有馬記念に対する調教適性という意味でも高い評価はできないジェンティルドンナ(12月23日撮影)



◆次走要注意

・12/20 中京 つわぶき賞【ラホーヤビーチ】(11人/8着)

 未勝利1着時は馬券総合倶楽部の狙い馬に取り上げて、単勝万馬券が的中した馬。それだけに、この馬の買い時を分かっているつもりですが、前走は最終追い切りを坂路で行っています。やはり未勝利勝ち時のように、CWでの追い切りがベストでしょう。
 また、中1週とレース間隔が詰まっていても、本数は多い方がよいと思います。

[メモ登録用コメント] [芝]調教タイプが乗込か標準多めなら勝ち負け

・12/21 阪神 2歳500万下【ロットリー】(10人/5着)

 休み明けで追い切り本数は少なめ。それでも最後の直線まで見せ場十分だったのは、このクラスで通用する証。次走は追い切り本数も標準以上になるでしょうから、単純に上積みがあると思います。
 ただし、馬券を買うなら藤岡健一厩舎の勝負調教に該当していること。前走はこれに該当していたから、あそこまで粘ることができたと考えています。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]藤岡健一厩舎の勝負調教なら勝ち負け

◆今朝の追い切り特報

・2歳新馬【メイショウリンクス
 1週前はCWで朝日杯FS2着のアルマワイオリと互角の動き。最終追い切りは芝馬場でしたが、追われてから伸びそうな仕草を見せつつも、相手に少し遅れてしまいました。
 少し力がいるような馬場に適性があると思うので、最終週の芝には適性がありそうです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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