NHKマイルC、仏のモーリスドゲスト賞などを制したシーキングザパールが、再びアメリカに戻って初仔として送ったのが、シーキングザダイヤ。相手の種牡馬は、アメリカで最も評価の高い大種牡馬ストームキャットだった。
これによってシーキングザダイヤの血統図には、2〜3代前のノーザンダンサー、セクレタリアト、ミスタープロスペクター、シアトルスルー、さらにはバックパサーを中心にして、その代表産駒がみんな散りばめられる形となった。アメリカ系の名馬総出演。すごいといえば、すごい血統で、脈絡がないといい出せば、ただ有名な種牡馬を集めただけで、作風も趣きも、流儀もなにもないが、たしかにベスト=ベストの組み合わせではある。
そのシーキングザダイヤ。ものすごい動きをみせ、12月の新馬戦は単勝1.1倍。ところが、あららの惨敗で、ただ著名馬を集めたばかりのアメリカ流配合は「大恥」をかきそうだったが、遺伝の神秘も、配合の妙も、これだけ主流血脈を集めれば、黙るしかない。走らないわけがなかった。2戦目に勝ち、3戦目には上がり33.9-11.4秒。着差は1馬身半でも、朝日杯FSを中心にオープンで好走していたフサイチホクトセイが遊ばれてしまった。
誉めているのか、なんとか死角を探そうとしているのか複雑だが、ふつうにいって「走る」。
スピード型の超A級馬に育つか、突然、ただのアメリカ血統に脱線するかの難しさはつきまとうだろうが、きわめて楽しみな「大物風」の良血馬に注目したい。
アメリカ風の血脈(配合)に、ちょっとばかりあやをつけつつ、中山11Rには、もう3戦続けて痛い目に遭っている外国産馬エイシンクリバーンにまた期待する。前々走のように思い切った強引な策がとれればパワー負けはない。バルジューも通算3度目の騎乗。少し荒っぽく乗ってくれるはずだ。ぜひ取り返したい。