チューリップ賞が注目されるようになったのは、重賞になる以前、マックスビューティ、シヨノロマン。そして、アグネスフローラ=ケリーバッグの1、2着馬が、そのまま桜花賞でも1、2着したころからだった。そこで、94年から重賞レースに昇格すると、1400mのトライアル以上に本番と結びついている。
重賞になる以前の86年以降、この18年間の桜花賞の連対馬「36頭」のうち、ちょうど半分の18頭がこのチューリップ賞をステップにした馬だった。
注目すべきは、その桜花賞で連対したチューリップ賞組は、18頭のうち17頭までがこのトライアルで3番人気以内の注目馬だったこと。まだ路線はトーナメントに近い。ここを人気通りに、順当に勝ち負けするような馬でなければ、本番の桜花賞好走はないともいえる。
もっと厳しいデータは、この18年間、このチューリップ賞を4番人気以下の伏兵として連対すると、少し人気を集めて桜花賞に出走することになるが、そういう馬が桜花賞で連対したことは一度もない。ちょっと不思議だが、このチューリップ賞→桜花賞は、エリート中のエリートのためのレースでもある。
人気はもちろん、スイープトウショウと、ヤマニンシュクル。あまり逆らうつもりではないが、この人気の2頭、きわめて平凡な阪神JFの時計(最近10年では下から2番目)が示すように、決してレベルは高くない。1分35秒台前半の持ち時計のある馬がここに1頭もいないのは、最近では00年、99年以来のこと。その2年、チューリップ賞1、2着馬は、当然のように本番ではどこにもいなかった。
スイープトウショウ、ヤマニンシュクルの本当のレベル(例年のトップと互角か)を見極めたい。
ちょっと無理筋だが、強引にでも行ってくれるとバテないはずの小牧=ヴァルパライソを買いたい。