コスモバルクの柔軟なバネはすごい。これで芝3戦3勝となったが、初の芝だった東京の百日草特別を最後11.2秒-11.5秒でまとめ、前走のラジオたんぱ杯の最後の2ハロンも11.4秒-11.7秒。そして今回の弥生賞。最後11.3秒-11.9秒のラップが刻まれたところでスパッと二の足を使い、メイショウボーラーを差し切った。3戦すべてスローペース。それでいて、東京1800mはレコード。阪神2000mのたんぱ杯は、アグネスタキオン・クロフネ・ジャングルポケットの年に続く史上2位の好時計2分1秒6。そしてこの弥生賞の2分0秒5も、ウイニングチケットの2分0秒1に続く史上2位の好時計。文句なしの候補としてクラシックがみえた。この馬、今回は意識し2番手に下げるレースもできた。飛ばす馬のいる平均〜ハイペースなら、ここ3戦の記録はもっとハイレベルだったろう。公営馬として長距離輸送、再三のトレーニング場所の移動など、さまざまな不利があってのこの好内容だから、現時点では完全に一枚抜けている。道営だけでなく、全国の公営競馬ファンの期待に応えられるはずだ。
距離不安のあったメイショウボーラーは、自身(60.9秒-59.8秒-12.1秒)で2分0秒7。初の2000mをいかにスローのマイペースとはいえ、この好内容で乗り切ったのだから、皐月賞への展望がひらけた。改めて朝日杯FS2着馬らしい能力を示したともいえる。
人気のフォーカルポイント、ハイアーゲームは、パドックではコスモバルクをしのぐ好馬体にもみえたが、鍛えた内面の強さと、バネがちがった。スローうんぬんは関係ない。前にいるコスモバルクを目標としながら、最後は逆に引き離され、坂上ではストライドが乱れてさえいた。もちろん、まだ先はあるのだが、最大のポイントレースで、現時点での能力差は明確となった。かなり正確な勢力図がみえてきた。この時点、Aランクで当確は断然、コスモバルクだ。