1分21秒3のレースレコードが記録された。97年キョウエイマーチの1分21秒4を上回った。この時期の3歳戦の好時計はそのまま豊な資質を示すことが多く、これで3戦3勝となったムーヴオブサンデー(父サンデーサイレンス)は、文句なしの候補の1頭に浮上したことになる。注文をつけ、後方から上がり33.9秒の脚で追い込んで2着したマルターズヒート(重賞勝馬)を尺度と考えると、このレースの中身は、チューリップ賞と少なくとも互角だろう。
今年の桜花賞路線、ここまでは阪神JF1600m、チューリップ賞1600mで高い評価を受けるスイープトウショウ、ヤマニンシュクルが一歩リードだったが、このレースのムーヴオブサンデー。そしてクイーンCを1分34秒3で楽勝しているダイワエルシエーロ(2戦目でスイープトウショウと互角だった)。さらには今週のフラワーCを予定するダンスインザムード。例年とは異なり、別路線組が互角か、あるいはチューリップ賞組をレベルで上回る可能性もある。ふつう、牝馬の路線はトップが少ないため、本番を前にだいたい明確な勢力図が形作されてしまうものだが、今年の「桜花賞」路線は実に楽しい。別路線組がいっぱいいる。能力の目安になる(基準馬)を設定するのも難しいが、ポイントになるレースにもっとも出走してきた点で、今回2着で、例年のトップレベルに相当する1分21秒5を記録したマルターズヒートが基準の馬かもしれない。
トップレベルの馬が分散したレースに出走する形になったため、今回3着のフィーユドゥレーヴ(父サンデーサイレンス)あたりは、本番になると相当に評価が落ちることになる(人気順は下がる)だろうが、この馬の1分21秒8(紅梅Sのスイープトウショウと互角)も決してレベルは低くない。ますます桜花賞が楽しみになってくる。