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リアルスティール、ゴールドシップ、ラストインパクトなど注目馬の調教分析

  • 2015年03月18日(水) 18時00分


スプリングSと阪神大賞典、ファルコンSに出走する注目馬の最終追い切りを分析!

 すでに当サイトのニュースでも配信されているように、昨年の阪神JF優勝馬であるショウナンアデラの故障が発表されました。きさらぎ賞を制したルージュバックが一段と注目を集めることになりそうですが、個人的にはチューリップ賞を制したココロノアイが気になっています。

ココロノアイ(3月13日撮影)

ココロノアイ(3月13日撮影)



 その理由は「栗東滞在」。画像は3月13日に撮影したものですが、この時は尾関知人調教師も馬の様子を確認するために栗東へ来られたようです。前走が10キロ増の馬体重でしたが、もっと逞しい馬体になりそうな予感。17日には坂路の逍遥馬道を歩く姿を確認しましたし、この調整でもっと馬が成長するような気がしているだけに、桜花賞までじっくりと観察していきたいと思います。

 今週は4重賞。どれも気になるレースですが、ここではスプリングSと阪神大賞典に的を絞って、最終追い切りを含めた調教情報をお伝えしようと思います。と思っていましたが、午後になって、トーホウジャッカル回避の報が飛び込んできましたので、ファルコンSから1頭取り上げています。

【スプリングS/リアルスティール】

 共同通信杯では、キャリアが浅くても一発あって不思議ないという存在でしたが、前走後、この中間の動きを見ていると、すでに安定して高い能力を発揮できる馬に様変わりしたような気がします。まさに追うごとに馬が良くなっている、そんな感じです。

 最終追い切りは坂路で併せ馬。これは前走時と同じパターンですが、その4F時計は今回の方が1秒速くなっています。もちろん、余力十分な状態でこれですから、本気を出せば、軽く自己ベストを更新してしまうでしょう。あまり意味のない速い時計はトライアルでは必要ないということでしょうから、これで十分。◎を打つかどうかは別として、ここで負けてほしくない器という気がします。

リアルスティール(3月17日撮影)

リアルスティール(3月17日撮影)



【スプリングS/ベルーフ】

 京成杯を勝った後、ノーザンFしがらきに放牧へ出て、帰厩したのが3月3日。この調整過程を見ていると、かなり気性的に難しくなってきたのではないかと思っています。というのも、17日の坂路での普通キャンターを乗った時間はいつもと違っていて、馬の全く少なくなる時間帯。そして、18日の最終追い切りでは、Cコースに入場するのをかなり嫌がっていました。

 実際、走り出すと決して悪いことをするわけではありませんが、無駄なことに力を使っている分なのか、弾けるような動きというわけにはいきませんでした。賞金的にも皐月賞を使うことができる今回、無理に勝ちに行く競馬をしないでしょうから、そのあたりで歯車が狂うと、想像できないような結果もありそうです。

【阪神大賞典/ゴールドシップ】

 3連覇を目指す今年ですが、過去2年と違うのはローテーション。いずれも有馬記念から直行だった過去に対して、今年はAJCCを使っています。中間に吉澤ステーブルWESTに放牧へ出た点は同じですが、このあたりをどのように判断するか。

 追い切り本数は今回もしっかり積んでいます。だからこそ、2週前のCW追い切りでは破格の数字が出たと思います。また、最終追い切りもサージェントバッジを追走しましたが、最後は手応えが違いすぎて、単純に4馬身先着したというだけでなく、それ以上の着差を感じる走りでした。もちろん、加速ラップを踏んでいるだけに、最終追い切りは高く評価したいところ。ただ、実戦になって走るかどうかは分からないというのが、正直なところです。

ゴールドシップ(3月17日撮影)

ゴールドシップ(3月17日撮影)



【阪神大賞典/ラストインパクト】

 有馬記念は7着とはいえ、勝ち馬から0.2秒の着差。GIでも通用する能力があることは明らかで、4歳秋からぐんぐんと成長しているというのが、個人的な見解。1週前追い切りでは京都記念を使ったハープスターより断然、見映えする動きを見せていましたから、休み明けとはいえ、態勢が整っている印象でした。

 だからでしょう、最終追い切りは単走。これがこの馬の好走パターンですから、全く問題ありません。遅すぎず、速すぎずの時計の6F81.6秒。距離や力のいる馬場への対応力といった適性面についてはじっくり検討する必要があるでしょうが、馬自身の状態に関しては文句ありません。

ラストインパクト(3月18日撮影)

ラストインパクト(3月18日撮影)



【ファルコンS/セカンドテーブル】

 前走朝日杯FSは陣営のコメントによると、明らかに距離が長かったとのこと。左回りの芝1400mは京王杯SCと全く同じ舞台だけに、今回の条件替わりは普通に考えて、プラスに作用すると思います。

 最終追い切りは全体時計を遅くして、ラスト1Fを伸ばす形。以前に比べて、落ち着いて走ることができるようになった点は気性の成長でしょう。その分、しっかり脚がたまって、直線は1F11.5秒の伸び。全体時計が6F86.0秒と遅い数字なので、当たり前といえば、それまでですが、緩急をつけた走りができるようになったのはプラス。あとは最後の直線の急坂をこなせるかどうか。

セカンドテーブル(3月18日撮影)

セカンドテーブル(3月18日撮影)



◆次走要注意

・3/15 阪神 3歳未勝利【サンフレイム】(6人/8着)

 休み明けで追い切り本数が少ない仕上げ。その上、新規開業したばかりの厩舎の転厩初戦となれば、好走できなくて当然でしょう。
 しかし、坂路での最終追い切りでは自己ベストを更新していたように、スピードはある馬。平坦京都に替われば、十分に勝ち負けできるはず。

[メモ登録用コメント] [京都芝1400m]最終追い切りで坂路4F53秒以下なら勝ち負け

・3/15 中山 房総特別【コスモドーム】(9人/3着)

 馬券総合倶楽部のコラムでも取り上げましたが、金成貴史厩舎への転厩初戦でしたが、前厩舎時代と同じように仕上げていたので、調教内容には全く不安なし。
 少しペースが速くなったことはありますが、きっちり差してきたように、中山競馬場にも全く問題ありません。オープンでも十分に通用する馬だと思うだけに、今後も併用調教の仕上げがベストでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝1200m]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ファルコンS【ヤマカツエース】
 アーリントンCは好発を切ったにもかかわらず、後ろに下げて、勝負圏外の位置取り。それでも勝負どころから脚を使って、直線は見どころ十分。能力の高さを示すレースぶりでした。
 中2週で馬の状態を心配しましたが、最終追い切りCWでの動きは上々。これなら、引き続き好勝負できるはずです。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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