土曜フラワーCのダンスインザムード。日曜阪神のリンカーン、ザッツザプレンティ。そしてスプリングSはブラックタイド以下、出走権獲得の3着まで。G1シリーズ突入を前にサンデーサイレンス勢の大攻勢となった。
ブラックタイドは坂路50秒台で動いた直前の動きも変化していたが、パドックから本馬場に入った際のムードが違ってきた。早くから注目の良血馬が、やっとシャープなサンデーの素質馬らしい馬体と動きを前面に出してきたといっていい。
最後方追走はともかく、ある程度(これまで以上に)タメて進むのは作戦。これが雨の影響が多少とも残り、上がり48.6−36.2秒の流れにはまった。3コーナすぎ、伏兵のコンドルクエストが強引にまくって出るのに合わせて進出しながら、4コーナー手前で横山典騎手はひと呼吸待って、そこからさらに外に回ったキョウワスプレンダをはじき飛ばすようにスパートする余裕があった。
サンデー産駒の可能性を引き出すために、成長過程で再三武豊騎手が取り入れる「後方一気」の手法が成功した形だった。これで、たぶん本番はまた武豊騎手にチェンジするだろうが、今回と同じような、00年エアシャカールと同じような戦法を取る可能性が大きくなった。
2着したキョウワスプレンダは、一時のスランプ脱出としたいが、この一族、精神的に非常に難しい一面がある。過信はできないが、ツボにはまれば・・・の可能性は示した。
今年の牡馬の路線、なかなか能力の目安になる馬を設定するのが困難だったが、もっとも多くのポイントになるレースに出て、いつも惜しい善戦止まりのアポインテッドデイがどうやら「能力のボーダーライン」の馬かも知れない。一連の重賞の目安がアポインテッドデイに比べてどうか・・・が成立する。
人気のコスモサンビームは向正でかかってしまった。これは見直したい。距離ではないだろう。