成長力にあふれるファミリー
目下の牡馬クラシック候補は、弥生賞を鮮やかに抜け出したサトノクラウン(父マルジュ)と、スプリングSは2着に負けたものの、あふれるスケールを改めて見せつけたリアルスティール(父ディープインパクト)が2強に近い形でリードしている。
以下、スプリングSを抜け出したキタサンブラック、ダノンプラチナ、ブライトエンブレム…などが続く。この毎日杯は皐月賞の最終ステップになり、出走予定馬の動向から、獲得賞金1650万円を上回ることが皐月賞出走の最低限の条件になる。
どの馬もここを勝てば出走OKだが、2着でも出走可能となりそうのは(
ナヴィオン1200万、
ロードフェリーチェ1150万、
アッシュゴールド1100万)の3頭。ほかは2着の賞金加算では苦しい。ただ、皐月賞ではなく、NHKマイルC、日本ダービーを展望するうえでも重要な1戦。最近では、2013年のキズナ、10年ダノンシャンティ、08年ディープスカイ、06年アドマイヤメイン…などがここをステップに、5-6月のビッグレース快走を果たしている。
ようやく骨折休養のブランクとそれに伴うスランプ状態から脱しつつある
ダノンリバティ(父キングカメハメハ)に期待したい。
2歳夏の新潟1800mを1分49秒6で差し切り勝ちした際、「11秒5-10秒9-11秒6」=34秒0の高速上がりのレースを、同馬は上がり33秒3で差し切っている。
スカーレットインクから発展する成長力にあふれたファミリー出身。祖母スカーレットレディ(父サンデーサイレンス)は、同じサンデーサイレンス産駒のダイワメジャー、アグネスタキオン産駒のダイワスカーレット兄妹と同血にも近い「いとこ」同士。
もともと調教は動き、今回は同じ音無厩舎の人気馬
アンビシャス(父ディープインパクト)を問題にしないほど動いた。骨折ブランクのあとはちょっと行きたがる面をみせて伸び切れないが、それでも京成杯はベルーフから0秒2差。前回はキロハナ(残念ながら故障したディープインパクト産駒)と0秒1差だった。武豊騎手にチェンジした今回は、戦法もチェンジしてくる可能性がある。ダイワスカーレット、同メジャーの一族だから、先行して押し切るタイプに育ててもいいが、デビュー戦の内容からすると、立ち直ったいまなら差す形でもこれまで以上に味のあるレースが可能だろう。
前回、2400mなので全体時計は平凡でも、素晴らしい切れを秘める
アルバートドック、そして同厩音無厩舎のアンビシャスが当面の相手。ほかでは、そろそろ脱皮しそうなアッシュゴールドもやっぱり怖い。ダノンリバティが思われるより人気薄なら、
グリュイエール、ロードフェリーチェ、ナヴィオンまで手を広げたい。