◆中京から日本ダービーへ
ほぼ平坦小回りのローカルコースから、本格派コースとして2012年に生まれ変わった中京競馬場。リニューアル当初、同競馬場の関係者がこんなことを言っていたのを思い出す。
「ダービーが行われる東京競馬場にコース形態が近づいたことで、クラシックを目指す馬が中京から羽ばたいてくれることを望んでいるんです」
その希望は着実にかないつつある。土曜(28日)中京の大寒桜賞(3歳500万下、芝2200メートル)は日本ダービーに向けた“陰の要チェックレース”だ。
リニューアル元年に新設されたこのレース、勝ち馬のその後の活躍はなかなかのもの。12年のトーセンホマレボシは京都新聞杯を勝ち、ダービーでも3着と底力を見せたし、13年の勝ち馬ラストインパクトは青葉賞3着で惜しくもダービー出走は逃したが、現重賞3勝と活躍中。14年のワールドインパクトは青葉賞2着でダービー出走(10着)を果たした。
恐らくキュウ舎サイドが新装後の中京コースにダービーにつながる類似性を見いだし、期待馬を送り込んでいるからこその結果なのだろう。
もちろん今年も飛躍が期待されるメンバーが集まった。中でも注目は小倉の芝1800メートル新馬戦を0秒5差で快勝したブランドベルグだ。
1週前追い切りでウッド6ハロン78秒台の猛時計を叩き出したのもさることながら、最終追い切りも馬なりでラスト11秒台という極上の切れ味。「ちょっとモノが違う感じですね」と牧田調教師が言えば、騎乗した松田も「かなり走ります。良馬場ならもっといい脚が使えそうですし(新馬戦は重馬場)、センスがあるので中京2200メートルも全く問題ない」と期待を隠さない。
ここを勝てば、青葉賞か京都新聞杯へ…遅れてきた秘密兵器の走りに注目してほしい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)