勝った5歳サニングデール(父ウォーニング)は、体調を崩して凡走が続いていた昨年末のCBC賞を別にすると、中京の芝1200mは1、1、1、2、1着となった。また、芝1200mでこれで全7勝を記録したことになるが、最初の2勝は、ダンツジャッジと、キーンランドスワン相手の逃げ切り。これを3歳夏から、コンビの福永騎手が「差しても良さの生きる馬」に転換させたのだから、今回、内の3番枠を引いたことで(昨年、ビリーヴの2着時は大外18番枠だった)、福永騎手はかなり自信があったのだろう。中間、サニングデールは本来のデキに戻っていた。阪急杯を制したあたりから体調アップ。昨年の高松宮記念を2着した当時と同じ気配になり、これはたまたま偶然だが、今回の馬体重446キロまでそっくり昨年春と同じだった。
サニングデールは、これまでの成績を振り返ると、好調時には「連続」して好走するタイプ。コース適性と、枠順の利と、好調子を3点セットに、能力をフルに生かし切っての期待通りのG1制覇だった。
デュランダルの2着も立派。瞬発力を生かしたいタイプに先行馬がほとんど止まらない1200m(今回のレースも最後11.6−12.2秒)はつらかったが、猛然と追い込んできた。
この馬、上がり33秒台の切れを強調されるが、後半600mを33秒台というより、1ハロン10.5−11.0秒ぐらいの爆発力を1〜2ハロン使う馬。注目は上がり「3ハロン」ではない。1〜2ハロンの瞬発力にある。したがって、コースは不利ではなく、もともとこの牝系一族、大変な平坦巧者(中京巧者)でもある。G1馬らしい底力と切れを示した。当然、有力馬だが、この馬、かえって東京1600mの安田記念は脚の「使いどころ」が難しいだろう。キーンランドスワンは、昨年のサニングデールと同じで18番枠はきつかった。ギャラントアローは負けはしたが、大幅に能力アップがあった。この馬、1400〜1600向きだろう。