実績上位組に追いつく時期
最近10年の年齢別成績は、
4歳馬…【4-5-4-30】
5歳馬…【4-1-2-37】
6歳馬…【2-2-3-32】
7歳上…【0-2-1-27】
2月に行われる「根岸S」、3月の「マーチS」などと比較すると、ベテラン組の成績は下降し、4歳-5歳馬の成績が急速に良くなっている。とくに近年は、ダート界のオープン馬の層が厚くなると同時に、シビアな世代交代が早まっている傾向がある。
4歳
アジアエクスプレス(父へニーヒューズ)の成長に期待したい。ストームキャット→ヘネシー→へニーヒューズ→…と連続する父系は、多分に完成されるのが早く、また距離延長を好まないイメージが濃いが、最初に登場したヘニーハウンドはともかく、3歳秋に2000mのシリウスSを勝って復活したケイアイレオーネ、このアジアエクスプレス、2013年のBCディスタフ(ダート9ハロン)を圧勝した米のビホルダーなどのヘニーヒューズ産駒は、9ハロンくらいまでは楽にこなしている。
ストームキャット分枝はいくつもあるが、ヘニーヒューズの代になると、その産駒の距離適性の幅も広がり、決して早期完成型ではない産駒が増えているということだろう。
前回のアジアエクスプレスの名古屋大賞典は、休み明けもあったが、多分に時計のかかる距離1900mが長かった印象もあった。少しでも短縮される1800m、また、公営の名古屋に比べればタフなコンディションでもないJRAのダート1800mは守備範囲である。3歳だった昨年の春にはスプリングSを2着し、上位人気になった皐月賞も0秒4差の2分00秒0で乗り切っている。
強敵と思える
マルカプレジオ、
ローマンレジェンドは7歳馬。
ナムラビクターは6歳馬。
ダート実績はベテラン組の方が断然上だが、年齢別の成績が示すように、もう4歳アジアエクスプレスは実績上位組に追いつく時期になっている。先行力を身につけてきた点でも強敵に差し馬が多いから有利だろう。まだダート【3-1-0-1】だが、たちまちダート界のトップの1頭になって不思議ない。ファミリーはダートを出発にした世界で最も著名な一族であり、アジアエクスプレスの4代母リヴァークロッシング(父アファームド)は、フォールアスペン(ドバウィの父として知られるドバイミレニアムの祖母、ティンバーカントリーの母)の半妹にあたる。
前出のベテラン組の評価はあまり下げられないが、相手妙味は4歳の上昇馬
アスカノロマン(父アグネスデジタル)と、同じく4歳
マスクゾロ(父ローマンルーラーはフサイチペガサス産駒)だろう。