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シングウィズジョイ、グランデッツァ、ブランネージュなど3重賞の調教分析

  • 2015年04月22日(水) 18時00分


フローラS、マイラーズCなど3重賞に出走する注目馬の最終追い切りを分析!

 22日は久しぶりの快晴。調教開始時刻は上着がないと肌寒いくらいでしたが、途中からは半袖でもいいくらいの暑さに。ようやく、春らしいというか、いいお天気に恵まれました。こんな日は追い切りも見やすくて、本当に気持ちよく仕事ができます。おかげで天皇賞・春の1週前追い切りはどの馬も素晴らしい動きに見えて、困っちゃってます(笑)

 良くて困る分には、笑ってられるのですが、先週の美浦坂路のように、時計が遅すぎて困る分には、顔をしかめるしかありません。「負荷をかける馬場」に関して、私が異論を唱えたところで、なんの意味もないでしょう。だから、当コラムでもあまり美浦坂路の馬場について触れることはありませんでしたが、さすがに先週のように雨が降った時に極端に遅い時計になるような馬場については書かせてください。

 これは競走馬に騎乗したこともない素人の意見ですが、無酸素エネルギーを利用して走ると言われている目安時計「1F15秒」を切ることも難しいような馬場が、競走馬を強くするのに理想的なのでしょうか。少なくとも、調教時計を見て予想するファンサイドにとっては「非常に迷惑なこと」だと思いますが、いかがでしょうか?

【フローラS/シングウィズジョイ】

 9番人気がおいしいと思って狙ったクイーンC。道中の位置取りを見て、シメシメでしたが、直線は伸びずバテずの6着。負けた相手がアンドリエッテやミッキークイーンですから、差し負けしたことは仕方ないでしょう。ただ、レース翌週に友道康夫調教師とも話していて「マイルは短いかな」というのが、最終的な結論でした。

 今回は初めての2000m。これは大歓迎でしょう。この中間も追い切り本数はきっちりこなしていて、最終追い切りは東京競馬場でレースする時のパターンである坂路。単走でしたが、ある程度速い時計で4F52.9秒。ラスト1F13.2秒と少し遅くなった点、最後の50mほどの地点で手前を替えていた点から、お釣りのない走りだったことは間違いありませんが、少し時計を要する馬場は苦手なのかも。そういった点からも開幕週の馬場はいいはずです。

シングウィズジョイ(4月21日撮影)

シングウィズジョイ(4月21日撮影)



【フローラS/ナガラフラワー】

 すみれSは重い馬場で6着に敗れましたが、エルフィンSでは桜花賞2着クルミナルの2着。軽い馬場なら、力があることは間違いありませんし、新馬戦を勝った1800mから1Fの延長に対応できるようなら、ここでも主役を張れる馬だと思います。

 最終追い切りはCコースで単走。150mほど前に同厩メイショウテンロウが走るような流れでしたが、折り合いはスムーズ。前半は遅く、後半ピッチを上げて、6F84.0〜5F67.6〜4F52.4〜3F39.1〜1F11.9秒。追われるとダイナミックなフットワークになるので、直線の坂が緩く、馬場状態が良好な方が力は出せるでしょう。あとは初めての関東圏の輸送をクリアするだけ。

ナガラフラワー(4月22日撮影)

ナガラフラワー(4月22日撮影)



【マイラーズC/フルーキー】

 22日、朝一番のCコースでは、同じレースを予定しているディアデラマドレ、エキストラエンドが一緒に併せ馬を行っていましたが、本馬はデニムアンドルビーが先導する3頭併せの真ん中で追走。

 1週前追い切りが目一杯に追われていただけに、その動きがどこまで素軽くなっているか注目していましたが、内のサンビスタ相手に余力ある状態で互角の動き。1週前の負荷がきっちりと最終追い切りにもつながっているように思えたので、同じ舞台での重賞、京都金杯時とは全く違った状態で出走することができそうです。

フルーキー(4月22日撮影)

フルーキー(4月22日撮影)



【マイラーズC/グランデッツァ】

 絶好の手応えで直線に向きながら、伸び切れなかった京都金杯。57.5キロという斤量が応えたという見方もできますから、今回の56キロで走りやすくなるのは間違いありません。また、速い時計の決着になる可能性がある馬場も味方してくれるでしょう。

 ただ、最終追い切りの動きがやけに地味。C.ルメール騎手が跨って単走でしたが、前半を極端に飛ばしたわけでもないのに、最後は失速気味。ラスト1Fが13秒台になることは珍しくない馬ですが、それにしても物足りなく思えました。ちなみに昨年の都大路S時はラスト1Fが最速になるラップで完勝。これをどう判断するかでしょうね。

グランデッツァ(4月21日撮影)

グランデッツァ(4月21日撮影)



【福島牝馬S/ブランネージュ】

 前走は秋華賞時に比べるとかなり物足りない状態での出走だったと思います。よって、10着という結果は個人的に納得。叩いて、しかも暖かくなってきて、馬が変わるだろうという予測をしていましたが、ほぼ思った通りになっています。

 それでも個人的にはオークス時に見せた素晴らしい馬体にはまだ届いていないように思います。ただ、ひとつ年を重ねたこともありますし、重め感のない馬体には好感が持てます。最終追い切りはDコースポリトラック馬場で単走。前走に比べると手応えに余裕があって、楽に時計が出ましたし、前走とは全く違う状態で出走できるでしょう。

ブランネージュ(4月22日撮影)

ブランネージュ(4月22日撮影)



◆次走要注意

・4/18 阪神 3歳未勝利【サウンドバゴダンス】(17人/12着)

 父バゴということでパワーがありそうな印象ですが、馬体が400キロそこそこのように非力な馬。だから阪神の力のいる芝では惨敗して当然だと思います。
 レースセンスはあるので、立ち回りが非常に上手。もし芝を使えるようなら、先行して前残りができる京都や新潟で一変があるでしょう。

[メモ登録用コメント] [京都新潟芝]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら馬券圏内

・4/19 阪神 3歳未勝利【サラトガスピリット】(1人/4着)

 デビュー戦2番人気、2戦目の今回が1番人気。素質が買われて人気しましたが、どちらも4着に終わっています。CWでの追い切りの動きが抜群な馬だけに、力のいる阪神芝は適性がなかったという判断でよいでしょう。
 京都開催に替われば、レースぶりも違ってくるはず。最終追い切りの内容さえきっちりしておけば、圧勝まであります。

[メモ登録用コメント] [京都芝中距離]最終追い切りCWで併せ先着のラスト1F最速ラップなら圧勝

◆今週の追い切り特報

・天皇賞・春【フーラブライド】
 先週に引き続き、この馬を取り上げました。2週続けてCコースで併せ馬を行いましたが、22日のパートナーはメイケイペガスター。これを先行させて、道中は追走する形。前を抜きたいのか、鞍上酒井学騎手の制止に対して、首を振って嫌々。これは終い伸びないだろうと思って見ていましたが、いやいやなんと素晴らしい伸びで先着。6F80.3秒、1F11.9秒は文句ない時計で、これはもう狙うしかありません。
フーラブライド(4月22日撮影)

フーラブライド(4月22日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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