4歳牡馬ネオユニヴァースが、昨春の2冠馬らしい底力を示し、期待通りに春のG1に向けてスタートした。他の有力馬が渋った馬場(重に近い稍重)を苦にする中、59キロで正攻法のレースで勝った自信は大きい。
予想通りマグナーテンの逃げは(60.1-59.5秒)のスローに近い流れになったが、ネオユニヴァースは中団から早め早めに進出。他馬の動向を気にすることなく、4コーナー手前では2番手に進出して、勝ちに出ている。
アドマイヤグルーヴはそのネオユニヴァースを終始射程に入れ、マークするようにスパートしたが、57キロの休み明けとあって追って伸びなかった。3歳後半以降、牡馬と対戦するレースは初めて。これは仕方がない。
むしろ、プラス18キロでも太くは見えず、動きもシャープ。これからの成長力に期待できる。母エアグルーヴが本物になったのも、古馬になり、体調を整えるのではなく、厳しい鍛錬をこなせるようになってからだった。
2番人気のバランスオブゲームは体調も良く、良績の集中する休み明けのG2とあって大きく期待されたが、4コーナーで先にネオユニヴァースに動かれては失敗。こちらも58キロ。底力の勝負になっては苦しく、早めに自分でマグナーテンを捕まえに出るぐらいの積極的な姿勢が欲しかった。
このレース直前のダービー卿CTの人気馬ウインラディウスも同じようなレースで期待に応えられなかったが、G1に向けてのステップレース。テーマは小技や、巧みなコーナー取りを目指すのではなく、フルに能力発揮の正攻法が求められている。もっと強気に勝ちに出る姿勢が欲しかった気もする。G1直前の古馬のチャンピオンレースなのだから、目指すところが違うだろう。
大阪杯のツルマルボーイは6着にとどまったが、こちらはこの馬場では仕方なし。プラス14キロ。馬体が戻り、ゴール寸前のストライドは悪くなかった。