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大阪杯

  • 2004年04月05日(月) 13時02分
 4歳牡馬ネオユニヴァースが、昨春の2冠馬らしい底力を示し、期待通りに春のG1に向けてスタートした。他の有力馬が渋った馬場(重に近い稍重)を苦にする中、59キロで正攻法のレースで勝った自信は大きい。

 予想通りマグナーテンの逃げは(60.1-59.5秒)のスローに近い流れになったが、ネオユニヴァースは中団から早め早めに進出。他馬の動向を気にすることなく、4コーナー手前では2番手に進出して、勝ちに出ている。

 アドマイヤグルーヴはそのネオユニヴァースを終始射程に入れ、マークするようにスパートしたが、57キロの休み明けとあって追って伸びなかった。3歳後半以降、牡馬と対戦するレースは初めて。これは仕方がない。

 むしろ、プラス18キロでも太くは見えず、動きもシャープ。これからの成長力に期待できる。母エアグルーヴが本物になったのも、古馬になり、体調を整えるのではなく、厳しい鍛錬をこなせるようになってからだった。

 2番人気のバランスオブゲームは体調も良く、良績の集中する休み明けのG2とあって大きく期待されたが、4コーナーで先にネオユニヴァースに動かれては失敗。こちらも58キロ。底力の勝負になっては苦しく、早めに自分でマグナーテンを捕まえに出るぐらいの積極的な姿勢が欲しかった。

 このレース直前のダービー卿CTの人気馬ウインラディウスも同じようなレースで期待に応えられなかったが、G1に向けてのステップレース。テーマは小技や、巧みなコーナー取りを目指すのではなく、フルに能力発揮の正攻法が求められている。もっと強気に勝ちに出る姿勢が欲しかった気もする。G1直前の古馬のチャンピオンレースなのだから、目指すところが違うだろう。

 大阪杯のツルマルボーイは6着にとどまったが、こちらはこの馬場では仕方なし。プラス14キロ。馬体が戻り、ゴール寸前のストライドは悪くなかった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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