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ヤマカツエース、アルバートドック、マテンロウボスなど3重賞の調教分析

  • 2015年05月06日(水) 18時00分


大型連休でもトレーニングセンターに休みはなし。3重賞の最終追い切りを分析!



 世間は大型連休だと思いますが、トレーニングセンターに休みはなし。このサイクルで慣れてしまっているので、特に変な感じもありません。しかし、連休が明けると、もっと2歳馬がたくさん入厩してくるイメージ。今年も各厩舎がそんな感じで準備を進めているようです。

 思えば、ヤマカツエースが栗東へ入厩した時、POGで何位に指名するか悩んだもの。すでに重賞を勝っているわけですから、上位指名すべきだったのは間違いありません。今年もそんな馬がすでに入厩しているのか、はたまたこれから入厩してくるのか。しばらく頭を悩ませることになるでしょう。

【NHKマイルC/ヤマカツエース】

 前走ニュージーランドTはNo.1予想でも◎を打ちました。2走前のファルコンSでも◎を打っているように、デビュー前から注目していた馬。これは担当する土屋均調教助手の助言もあったから注目できたのですが、ここにきて、ようやく軌道に乗ってきたような気がします。

 1週前追い切りは池添謙一騎手でしたが、最終追い切りは同助手。前走も同助手が最終追い切りに跨ったように、このパターンがベストでしょう。その時計は6F80.2〜5F65.2〜4F51.7〜3F38.2〜1F12.2秒。ここまできっちりと追い切りを消化しましたし、最終追い切りも速い時計。前走の馬体重減を心配する方もいるでしょうが、それがあれば、こんな追い切りはできません。馬体を見ていても、素晴らしい状態だと感じるだけに、十分に連勝の可能性があると思います。

ヤマカツエース(5月6日撮影)

ヤマカツエース(5月6日撮影)



【NHKマイルC/クラリティスカイ】

 皐月賞に出走した時から、マイルに戻れば、そのパフォーマンスは間違いなく上がるだろうとイメージしていた馬。しかも東京芝1600mともなれば、いちょうSの実績があるだけに、NHKマイルCは本馬にとって最適レースだと思っていました。そこに出走してきたわけですから、それだけでも本命を打つ価値はあると思っています。

 まして、この春は調教で明確な課題を持って、それを改善するために取り組む調整。その集大成とも言える、最終追い切りの併せ馬がなかなかの動き。正直、ラスト1Fが最速になるラップをベストだと考えていましたが、追われてからもフラつくことなく走れたあたりは高く評価したいと思います。

クラリティスカイ(5月5日撮影)

クラリティスカイ(5月5日撮影)



【NHKマイルC/アルマワイオリ】

 中1週だった札幌2歳Sこそ、掲示板を外しましたが、それ以外は常に掲示板を確保する堅実派。前走もきっちり勝ち負けに加わる差し脚を見せており、マイルに関しては、かなりの安定勢力。ただ、2走前の最終追い切りが地味だったように、追い切りの動きがレースの結果と関係しているタイプであるかどうかは判断がつきません。

 最終追い切りは勝浦正樹騎手が跨って、エミネントレコードを追走する内容。4コーナーで外を回ると思いきや、内を突いてきました。最後、手応えは相手が楽だったので、それを考えると、鞍上は外を回ると遅れると思ったのでしょうか。やや追い切り本数が少ないことも気になっていただけに、もしかするとあまり上昇度がない今回かも知れません。

アルマワイオリ(5月6日撮影)

アルマワイオリ(5月6日撮影)



【京都新聞杯/アルバートドック】

 先週の青葉賞でレーヴミストラルが優勝。日本ダービーへの優先出走権を確保し、松田博資厩舎から1頭の刺客が送り込まれる形に。もう1頭、なんとかダービーに間に合うかどうかがこの馬になると思いますが、実績ある京都競馬場なら、十分に勝ち負けを意識できると思います。

 最終追い切りは周囲に同厩舎の馬はいたものの、実質的には単走の内容。6日のCコースは決して時計を要する状態ではありませんでしたが、6F84.4〜5F69.0〜4F54.4〜3F40.4〜1F12.9秒は数字的にも見た目的にも物足りない内容。ただ、2走前ゆきやなぎ賞も追い切りの動きが目立たず、レースでは好走しているだけに、この追い切りだけで判断するのは危険という考え方もできます。

アルバートドック(5月6日撮影)

アルバートドック(5月6日撮影)



【新潟大賞典/マテンロウボス】

 4連勝を狙った大阪ハンブルグCでしたが、超スローペースもあってか、末脚不発の4着。休み明けだったことや、実績乏しい右回りだったことを考慮すれば、むしろ走った方ではなかったでしょうか。また、最終追い切りが栗東坂路でラスト1Fが失速するラップだったことも関係しているように思います。

 今回も最終追い切り場所は坂路でしたが、そのラップはゴールに向けて加速する内容。画像が5日の坂路キャンターですが、この時に行きたがるような仕草を見せていただけに心配していましたが、追い切りできっちり脚をためて走ることができたようですから、この点を評価したいところ。

マテンロウボス(5月5日撮影)

マテンロウボス(5月5日撮影)



◆次走要注意

・5/2 東京 青葉賞【ティルナノーグ】(7人/7着)

 自分のリズムを崩さず、最後方からレースしたこともあってか、メンバー最速の上がりをマーク。さすがに掲示板に載ることもできませんでしたが、中身あるレースだったように思います。
 まだまだ成長途上なところがあるようですから、この先どこかで、くらいの気持ちで見守りたいと思います。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・5/3 新潟 谷川岳S【ミッキーラブソング】(7人/13着)

 最終追い切りが馬なりだったので、状態に関しては文句なし。それでもこの着順になったのは、レース上がりが速すぎたこと。そして慣れないジョッキーが騎乗したことが原因でしょう。
 やはり乗り慣れた小牧太騎手が手綱をとり、再び坂路で馬なりの追い切りなら、オープンでも十分に通用するはず。

[メモ登録用コメント] [芝1600m以下]最終追い切り坂路で馬ナリなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ブリリアントS【ドコフクカゼ】
 Dコースポリトラック馬場で単走の追い切りでしたが、前半から飛ばしていったわりには、最後まで止まらないで、全体的に時計が速くなる追い切り。6F74.9〜5F61.7〜4F48.6〜3F36.0〜1F11.6秒は、3走前に同じ東京ダート2100mを勝った時と同じような数字ですから、やっぱり評価すべきでしょう。

ドコフクカゼ(5月6日撮影)

ドコフクカゼ(5月6日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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