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ニュージーランドT

  • 2004年04月09日(金) 12時07分
 デビュー戦を断然の1番人気で凡走したあと、2戦目をクビ差勝ち。3戦目のクロッカスSは1馬身半差。そして前回のアーリントンCが半馬身差。シーキングザダイヤの目下の3連勝は評価が難しい。時計面でもほとんど目立つところはない。

 ただ、父はストームキャット。母シーキングザパールには、その母の父としてシアトルスルーの血が流れている。このアメリカを代表する2頭の大種牡馬の血は、日本の緩急のペースが求められ、かつ切れをも要求されるレースは不得手である。だから、あれだけの大種牡馬ストームキャットの直仔も、シアトルスルーの直系も、案外なことが多い。

 それでも、しぶとく2枚腰を使って3連勝してきたシーキングザダイヤ。期待通り、秘める資質はAランクとしたい。

 3戦目のクロッカスSでは、前半48.3秒のスローだったとはいえ、最後11.3−11.2−11.4秒。1〜2ハロンならともかく、3ハロン連続して「11秒台前半」を記録しての33.9秒の価値は高い。

 翌日、古馬の東京新聞杯(1600m)が前半47.0−59.0秒のスローで展開し、抜け出したウインラディウスが推定11.1−11.2−11.4秒。キャリアを考えると、距離は1ハロン異なるレースだが、シーキングザダイヤには古馬重賞級のスピード能力があるといえる。

 中山の1600m。今度はスローはない。すんなり先行できはしないが、引いたのは理想の内枠3番。好位のインで流れに乗れる。この馬の最大の良さは、ハイペースの流れを追走する形になったときにこそ発揮される可能性が高い。一瞬の切れ不足で、もまれてモタつく危険もあるのだが・・・・・・。

 前走は強引にまくって出て失速のコンドルクエストは、本質マイラーとみれば、タメて進むこと必至の今回が真価を問われる一戦。

 あと皐月賞回避のマイネルゼストも、この距離までならスタミナ不安はない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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