歴史は物語る 東京マイル攻略に必要なもの/トレセン発秘話
◆松田国調教師「とにかく総合力が問われるコース」
GIともなれば、当該距離より長めの距離で結果を出している馬の方が有利だと言われる。特に舞台がタフな東京コースともなれば、その傾向は一段と強くなる。
「先週の(NHK)マイルCもそうでしたが、東京のマイルGIは中距離馬がこなすケースが多いですから。逆にこの馬にとってはいいのではないかと思ってます」
ヴィクトリアマイルに秋華賞馬ショウナンパンドラを送り出す高野調教師も同様の見解だ。
過去9回の勝ち馬のなかで、芝1800メートル以上の重賞での勝ち鞍、もしくは2000メートル以上のGIで連対がなかった馬は07年のコイウタと08年のエイジアンウインズだけ。歴史も東京マイル攻略に中距離実績が必要なことを物語っている。
「とにかく総合力が問われるコースですからね。向正面では折り合いをつけていかないといけないし、勝負どころでは直線ではじけるための十分なためを作らなければいけない。さらに直線の坂を駆け上がった後も1ハロン以上の距離がある。坂を上がったらすぐゴールになる阪神や中山とはそこが違います。スピードだけで押し切れるコースではない」
東京マイル戦に屈指の実績を誇る松田国調教師の弁だ。
今年の人気上位馬のうち、1800メートル以上の重賞でV実績がない馬はカフェブリリアントとストレイトガール。このあたりはデータでいえば「消し」だろう。近況内容が良く、なおかつ中距離実績も豊富…やはりヌーヴォレコルトとディアデラマドレの人気馬2頭に食指が動く。
(栗東の坂路野郎・高岡功)