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【シンガポール航空国際C】実績にまさる香港馬がワンツー、マイネルフロストも健闘の4着/現地観戦記

  • 2015年05月18日(月) 11時30分
海外競馬通信

▲勝ったのはT.ベリー騎手騎乗のダンエクセル、昨年に続く連覇を達成した


「日本ダービー3着」で人気に


 5月中旬に開催されるシンガポール航空国際Cは、ヨーロッパでは平地競馬のシーズンが本格的に始まって1カ月ほどという時期で、またシンガポールでは年間でもっとも蒸し暑い時期にあたり、出走馬の招致に苦労しているように思われる。

 今年の遠征馬でも、ヨーロッパからはフランス調教馬が2頭のみ。昨年のこのレース2着だが重賞タイトルはGIIを1勝のみというスモーキングサンに、GIIとGIIIを1勝ずつというフリーポートラックス。過去最高のレーティングは、それぞれ115、112というもの。日本からはご存知のとおり、重賞はGIIIの毎日杯勝ちのみというマイネルフロストが遠征。日本ダービー3着での115というレーティングで選ばれたようだ。

 ただ、地理的にも近く気候的にも似ている香港調教馬はその限りではなく、特に近年ではトップホースが積極的に参戦。それゆえ同日に行われているクリスフライヤースプリントとともに、過去2年は香港馬の連覇という結果となっている。

 今回参戦した2頭、ミリタリーアタック、ダンエクセルは、それぞれ一昨年、昨年のシンガポール航空国際Cの勝ち馬。レーティング的にも前者が123、後者が119と抜けていた。ちなみに地元シンガポール調教馬は114で並ぶ3頭が最高のレーティングというメンバーだった。

 そして結果は、近走で必ずしも結果を残せていなかった香港馬2頭が能力の違いを見せつけてのワンツー。勝ったダンエクセルは連覇となった。

 パドック周回中の単勝オッズでは、ダンエクセルとマイネルフロストが3倍前後で1番人気を争っていることにちょっと驚いた。そしてミリタリーアタックがやや離れた3番人気。GIII勝ちのみというマイネルフロストがGI勝ちの実績がある香港馬と人気を分けたのには、モーニングライン(レーシングプログラムに掲載される有力馬)で2番目に馬名があり、また場内で流されていた現地の解説で、日本ダービー3着ということがしきりに強調されていたということもあっただろう。

 ところがレースが始まり、馬群が向正面に差しかかったあたりでビジョンに表示されているオッズを見て驚いた。なんとミリタリーアタックの単勝が3倍ちょうどで1番人気、複勝も最低オッズの1.02倍(シンガポールでは複勝はいくら売れても1.02倍の配当がある)となっていた。おそらく締め切り直前にミリタリーアタックに大量投票があったのだろう。ダンエクセルが3.6倍、マイネルフロストが3.8となっていた。

「力負けという感じではないです」


 逃げたのはダンエクセル。クランジ競馬場の内回り2000mは、スタートしてわりとすぐに1コーナーを迎えるため、外枠から逃げるのは容易ではないが、11頭立ての10番枠からのスタートにもかかわらずということでは、ほかにハナを主張する馬がいなかったのだろう。それゆえペースは、800m通過が50秒62、1200m通過が1分15秒47という、かなりのスロー。8番枠からのスタートで外の2番手につけたマイネルフロストは、スタート後の直線から口を割って掛かる素振りを見せていた。

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