「いけそうな気がする」マキシマムドパリ最大のカギは…/トレセン発秘話
◆「先週みたいな2000万馬券になるかもよ」
便利な世の中になったものだ。今や有料サイトに入れば、過去のレース映像だけでなく、パドック動画まで見られる時代になった。で、本題はオークスにマキシマムドパリを出走させる吉田助手の話だ。
「いつもパドックではこっちが引っ張られていたのに…。前走は促さないと歩かないぐらいの状態だったんです」
そこでパドック映像を見比べると、確かに以前のレースでは時折、首を振りながら活気よく歩いていたのに、前走のフローラSでは心なしかションボリした感じ。吉田助手の引き手を引っ張るところが全くないように見受けられた。
「以前に関東に行った時は、わずかでもカイバを食べてはいたんですけど、前走に限っては東京競馬場に着いてから一切食べず、馬房の中でもビタッと止まったままでしたからね。それでいてレースではあれだけの脚を使ってくれた。やっぱり力はありますよ」
そのフローラSはラスト1ハロン地点で一旦は他馬と同じ脚色になりながらも、もう一度手前を替えてひと伸び。最後は勝ち馬に並ぼうかという末脚を駆使してクビ+クビ差の3着。「あと50メートルあったら少なくとも2着はあった」と振り返った松元調教師は「ウチのはたぶん10番人気以下だろ。上位に来たら先週みたいな2000万馬券になるかもよ」と豪快に笑った。
ちなみに2007年にオークスを勝ったキュウ舎の先輩ローブデコルテと同じ芦毛馬。何か因縁めいたものを感じさせる。
「ローブデコルテは決して長い距離が向くタイプじゃなかったけど、3歳牝馬同士ってことで距離も克服できたんだよね。マキシマムドパリの場合はもともとオークスでと思っていた馬。距離適性だけで言えばこっちの方が上だよ」
前走432キロの出走から、馬体重は456キロまで回復。「前回に比べて気持ちに余裕があるのでなんとかいけそうな気がする」と吉田助手。輸送後のレース当日、馬体減をどの程度に抑えられるかが最大のカギになるが、大穴ホースとしてチェックしないわけにはいかないだろう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)