スマートフォン版へ

スタンド前のゲート入り ドゥラメンテは大丈夫?/トレセン発秘話

  • 2015年05月29日(金) 18時00分


◆除外までのタイムリミットはおよそ5分

「早くゲートに入ってくれ」

 先にゲート入りを済ませた馬の馬券を買っていた人間は誰もがそう思ったことだろう。何の話かって、先週のオークスでクルミナルがゲート入りをゴネた件だ。

 (8)枠17番のクルミナル自身は3着に好走したものの、後入れの偶数枠の馬が圧倒的に上位を占めたことと、今回の事件との間に因果関係があったかは分からない。だが、狭いゲートの中に長い時間閉じ込められていた先入れの奇数枠の馬にとってマイナスに働いたことだけは確かだろう。

 ゲート入りをゴネるシーンを見るたびに「早く目隠しでもして(ゲートに)入れてくれ」と、つい思ってしまうものだが…。JRAの発走委員は「目隠しは視界が完全に覆われてしまうことで、むしろ興奮状態に陥ってしまう恐れもあり、ゲート入れの手順としては最終手段に近い」と説明する(過去には目隠しをしたことで手に負えない状態になってしまい放馬した事案もあったとか)。

 また「先にゲートに入っている馬を一旦出してあげたほうがいいのではないか」という意見もあるが、これに関しても発走委員は「一回入った馬が次にすんなり入る保証はなく、二次災害が起こる可能性もあり、今回のようなケースではしていない」。

 目隠しをしても入らない場合には最悪「競走除外」。そのためのタイムリミットはおよそ5分なのだそうだ。今回のクルミナルの場合、目隠しをしてもしばらく入らず、ゲート入りまで4分かかったということなので、もう少し遅れていれば競走除外の可能性もあったことになる。

 クルミナルはこれまでのレースで発走委員からゲート入りに関して注意を受けたことはなかったと聞く。それが突如としてあのような事態を起こしてしまうのだから、サラブレッドという生き物の難しさを改めて実感してしまう。

 オークス同様、大歓声のスタンド前発走となる今週の日本ダービー。ドゥラメンテなどゲートに課題のある人気馬もいるだけに、枠入れからスタートまで全馬スムーズにいくかどうかは、注目ポイントになりそうだ。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

2010年に創刊50周年を迎えた夕刊紙。競馬確定面「競馬トウスポ」(大阪スポーツは「競馬大スポ」、中京スポーツは「競馬中京スポ」)は便利な抜き取り16ページで、中身は東スポグループだからこその超充実ぶり。開催3場の全36レース(2場開催の場合は全24レース)の馬柱を完全掲載しています。

関東・舘林勲、大阪・松浪大樹の本紙予想のほか、記者による好評コラム(「一撃・山河浩、馬匠・渡辺薫など)、そして井崎脩五郎、爆笑問題の田中裕二、IK血統研など超豪華執筆陣の記事も読みごたえたっぷり。馬券作戦に役立つ情報が満載です。

関連サイト:競馬トウスポWeb

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング