人気の中心でなければ
3歳後半から、4歳いっぱいまで20ヶ月。重度の脚部不安で実戦を遠ざかっていた6歳
グランデッツァ(父アグネスタキオン。母の父マルジュは、先週の日本ダービーを3着したサトノクラウンの父として登場)は、復活なった昨年のこの時期、京都1800mを独走し、「1分43秒9」のJRAレコードを樹立している。さすがに3歳春、皐月賞で1番人気になったスピード能力・才能には素晴らしいものがある。
ただ、グランデッツァは3歳以降、1番人気になった皐月賞が「5着」。1番人気に支持された函館記念が「10着」。2番人気になった毎日王冠が「5着」。1番人気になった今春の京都金杯が「5着」。前回の都大路Sこそ2番人気でなんとか「2着」に粘ったが、1-2番人気の高い支持を受けると決まってちょっと情けないレースをしてしまう。
あの長い雌伏の期間を耐えたのだから、決して「根性なし」などということはないはずだが、良家のお坊ちゃん育ちというか、苦しくなるとがんばり切れないところがある。また、豊かなスピードを発揮するために大きく体を使って走るせいか、少しでも体調に心配な部分があると、能力全開が難しいタイプなのかもしれない。
スムーズに2番手追走になりながら、どことなくフットワークが硬く、そのままエイシンヒカリの2番手を粘っただけの前回は、速い追い切りタイムこそ計時していたが、休み明けもあって完調にはもう一歩だった。
中2週の今回は、いつもより少し控えめの最終追い切りにしたこともあって、前回より体の使い方やフットワークが柔らかくなったように感じられる。
トウケイヘイロー(9ヶ月半ぶり)か、
メイショウナルト(3ヶ月半ぶり)が先手を主張しそうなここは、すんなり2-3番手追走だろう。ほどよい平均ペースになるはずで、グランデッツァは自分のリズムで追走できる。後続の
エアソミュール、
ラブリーデイもそう鋭く切れる馬ではない。
3番人気が予想されるここは、前回に続いて2度目の騎乗になる川田騎手も、比較的気楽な立場。阪神の内回り2000mなら、正攻法で流れに乗り、勝負どころから思い切りよくスパートすることが可能だろう。前述のように人気の中心ではないところがいい。根性なしではないところみせてくれるはずである。
強敵はラブリーデイ、エアソミュールだが、今週の動きが光った
アズマシャトルも2-3着候補に入れたい。