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安田記念、一番悩ましいモーリスの扱いは?

  • 2015年06月05日(金) 18時00分


◆今年は例外的な京王杯SC

 今年の安田記念で一番悩ましいのは、モーリスの扱いだ。最後加速する形で差し切ったダービー卿CTの内容が非凡であることは間違いないが、GIIIを55キロで勝ってきた馬が人気になるというのは、馬券のスジとしては好ましくないところ。さらに今回内枠を引いたことで、いったん引いて外を回すか、どこかで間を割る必要がでてきた。GIレベルでそれをスムースにできるかはやってみないと分からない。個人的には、買うが軸にはしないという扱いでいきたい。

 京王杯SC組は、例年だと好走馬が本番でたまに通用し、あまり人気になっていなくて好配当……というのがよくある形。ただ今年の京王杯は後ろから2ハロンめに最速ラップが来るというまさかの形で、そこでの好走を素直に信じてよいのか分からない。その観点からも、短距離色の強いサクラゴスペルより他のマイル重賞でも好走しているヴァンセンヌのほうが良いのではと考える。

 本来なら特殊なラップを理由に「今年は例外」としてダイワマッジョーレを推す手もあるが、同馬もマイルよりは1400mのほうが少し良いタイプ。付けて△というところか。

 展開がおかしかったといえば、マイラーズCも47.7-44.9という超スロー。前に行って残したレッドアリオンサンライズメジャーより差してきたフィエロエキストラエンドに価値があるのは確かだろう。ただ、今回良い枠を引いたのでサンライズメジャーは立ち回り次第で3着以内に残る目もある。

 ミッキーアイルは高松宮記念からの2ハロン延長になるが、この距離延長自体は問題ない。ただ、NHKマイルCを勝ったときもぎりぎりだったし、押し出されてハナへ行った場合にどこまでもつかが問題。誰かが逃げてくれて番手にはまるとチャンスがありそうだ。

 前走GI組といえば、忘れてはならないのがリアルインパクト。オーストラリアでの2戦はともに斤量のアドバンテージがあったわけではない中での連続連対。今回は同厩のモーリスにばかり注目が集まるが、昔ながらの競馬格言「2頭出しの人気薄」になる可能性もある。

 大阪杯から安田記念というローテは、2,3着馬は多く出してきただけにロゴタイプの回避が残念。カレンブラックヒルも前走の馬場がひどすぎたことを考えれば、ここでも3着以内くらいはありうる。追い切りの内容は悪くなかった。

 最後にダノンシャーク。2年連続で阪急杯を使ったことは正直解せないが、昨年もそれがダメージになることはなかった。GI馬でありながら4〜5番人気にとどまるようなら妙味はある。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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