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個々の馬の状態の変化

  • 2004年04月21日(水) 19時06分
 地方競馬所属馬の中央クラシック初制覇成るかとか、コスモ・マイネル軍団対SS産駒とか、大きく注目された皐月賞も、桜花賞に続いてSSの偉大さを知らしめる結果でした。しかし、8頭のサンデーサイレンス産駒の中でも、それまで4戦1勝、スプリングS3着でやっと出走にこぎつけたダイワメジャーを中心馬に推すという声は、ほとんど聞かれませんでした。

 そこまでの前哨戦をいくら吟味しても、そういう答えは出てきません。つまり、本番までに起る個々の馬の変化、それも潜在している力が発揮される方向に進化しているかどうかを見極めることに、もっとエネルギーを費やすべきだということでしょう。

 予想はあくまで予想ですから、その結果がどうであったかには、それほどの意味も感じませんが、少なくとも、レース直前の検討の中身は、過去のレースの読み取りから可能性を追及することは二の次であって、それらのレース以後の個々の馬の状態の方を大きく取り上げるべきでしょう。その為には、調教の中身、その後の変化など、やはり取材者の力に頼ることになります。

 大レースになると、同じ週に何回かの検討会に同席することがよくありました。

 しかし、月曜日にやるものと金曜日にやるものとが同じ切り口で進められるということが多く、これでは意味がないなとよく思っていました。

 早々と検討記事、展望記事を書いている人は多く、そこでまとめた手法をずっと守っていたとしたら、とても柔軟な考え方にはなりません。

 ダイワメジャーの場合でしたら、一週前の調教と直前の追い切りを克明に取材できていたら、少しは、声とか文字となって目立っていたのかもしれず、あまりにもスプリングS3着だけに頭がいっていたことを悔やんでしまったのです。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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