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タップザット、アキトクレッセント、ラインルーフなどユニコーンS調教分析

  • 2015年06月17日(水) 18時00分


ユニコーンSの抽選対象馬に馬券的妙味のある馬が隠れている!?

 今週から函館競馬が開幕。函館スプリントSは、私にとって好印象のレースですが、今年もそうなるかどうかは最終追い切りが終わってみないことにはなんとも言えません。もちろん、私自身は栗東で追い切りを見ているので、この原稿を書いている時点では、出走予定馬がどのような追い切りを行ったか分からず、もともと注目している馬が「あの調教」をやってくれているかどうか。これに尽きます。この内容に関しては、予想原稿に記すつもりですので、No.1予想もしくは馬券総合倶楽部をご覧いただければと思います。

 東京競馬場ではユニコーンSが行われますが、2勝馬の抽選が16日の時点で17分の11。この「17頭」の中に馬券的妙味のある馬が隠れていると思うだけに、まずは抽選に通るかどうか。使いたいレースを使えなかったブチコもその1頭。下記でも除外される可能性がある馬を取り上げていますが、そのあたりはどうかご了承ください。

【ユニコーンS/タップザット】

 UAEダービー5着以来となりますが、栗東へ帰厩したのが5月27日。坂路とCWを併用して、追い切り本数に関しては問題ないと思います。ただ、6月11日のCW追い切りでは先行していたトーセンスターダムに追いつくことができず、その内容を不安に感じていただけに、最終追い切りではどのような内容になるか、注目していました。

 先週が6F追い切りだったのに対して、今回は4F追い切り。先行するコルサーレを追走していましたが、直線入口では少し前に離される感じに。先週と同じで、反応が鈍いかと思いましたが、仕掛けられると、あっさりと前に並んでゴール。併せた相手が違うだけに単純比較はできませんが、前の目標を捕まえるという意味では、今回の方が断然上。ちょうどいい感じに仕上がってきた、そんな印象を受けます。

タップザット(6月17日撮影)

タップザット(内・6月17日撮影)



【ユニコーンS/アキトクレッセント】

 中8週とレース間隔があいた前走は追い切り本数が少なかったものの、馬体重には増減なし。馬体的には問題ない仕上がりだったと思いますし、初めてダートでの1600mでしたが、それもこなしたと判断してよいでしょう。

 3歳になってからは、坂路で最終追い切りというのが定番。今回もそのパターンを崩すことはありませんでした。気になる点があるとすれば、全体時計が4F55秒台ということ。ただ、ラスト2Fが25秒台というのは、500万下1着、昇竜S1着と同じなので、4F時計は許容範囲と考えてよいかも知れません。なにより今回は坂路とCWを本数多く併用している点を強調できると思います。

アキトクレッセント(6月16日撮影)

アキトクレッセント(6月16日撮影)



【ユニコーンS/ミッキーシーガル】

 マイルの距離経験がないという点は調教から判断のしようがありませんが、この中間の動きを見ていると、同厩舎タップザットよりも食指が動くのはこちら。1週前追い切りのCW6Fから時計を出す動きで、ラストの反応は本当に良かったと思います。

 最終追い切りはCW4F。前にサトノダイレンサ、後ろにマウントシャスタという隊列でしたが、とにかく手応えが抜群。4F57.3秒という時計を考えると、当たり前っちゃあ当たり前なんですが、本当に余裕がある動きでした。マイルでも折り合いがつけば、こなせる馬体だとは思うので、あとは抽選を突破できるかどうか。

ミッキーシーガル(中・6月17日撮影)

ミッキーシーガル(中・6月17日撮影)



【ユニコーンS/ラインルーフ】

 前走は栗東への帰厩時期も遅く、追い切り本数は少なめ。それでも勝ち負けを意識できるレース内容になったのは、レースセンスの良さとそれを信頼する武幸四郎騎手の騎乗。そして、追い切り本数以外の面における仕上げも良かったと思います。

 今回は追い切り本数を強化して、最終追い切りがCW。ツィンクルソードを追走して、手応え楽に直線へ。楽に先着すると思いましたが、相手が想像以上に動いたこと、そしてラインルーフ自身の反応がひと息だったことで遅れてしまいました。直線、ハミをかけなおすようなシーンがあったことが原因と思われますが、過去2勝はいずれも最終追い切りの併せ馬先着で挙げているので、個人的にはトーンの下がる追い切りとなってしまいました。

ラインルーフ(6月17日撮影)

ラインルーフ(6月17日撮影)



【米子S/ナリタスーパーワン】

 過去の米子Sを振り返ると、断然、坂路調教馬に適性が高いレース。にも関わらず、トラック調教の本馬を取り上げたのは、本当に最終追い切りの動きが抜群だったから。騎乗していた中山義一調教助手も「状態は過去最高」というくらいですから、見た目だけでなく、乗った感触も素晴らしかったのでしょう。

 マルカファインを追走するCWでの併せ馬でしたが、大きく追走して、最後の直線は内。並びかけたところで相手の手応えもあったので、普通に同入というところ。それをもうひと伸び見せて、きっちり1馬身の先着。17日一番の動きだったといってよいでしょう。

◆次走要注意

・6/13 東京 3歳上500万下【ブルーヴァルキリー】(9人/10着)

 栗東からの転厩初戦でしたが、当時と同じように坂路での追い切り。そして、ラスト1Fが最も速いラップを踏んでいたので、馬券総合倶楽部の狙い馬に取り上げました。
 馬体重などに大きな変化がなかったことを思えば、決して悪い仕上げではなかったと思います。左回りの芝1400mならそのうちチャンスが回ってくるでしょう。

[メモ登録用コメント] [左回り芝1400m]最終追い切り坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・6/14 阪神 マーメイドS【バウンスシャッセ】(5人/15着)

 いくら56キロと重い斤量だったとはいえ、スタートから後方まま。全く見せ場のないレースで終わったことは不可解な負けとしかいえません。
 やはり一旦調子を崩すとあとは惨敗が続くタイプなのかも知れません。ひとまずは良績を残している1月中山開催まで待ちましょう。

[メモ登録用コメント] [1月中山開催]最終追い切りで併せ馬先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・【ショウナンパンドラ】
 宝塚記念の1週前追い切りでしたが、ラスト2Fの数字が24.1秒、11.9秒。モニターを見ていても、矢のように伸びており、素晴らしい追い切りだったと思います。
 2週前追い切りの動きも素晴らしく、今年一番の状態だと思われます。近3走の着順を考えれば、躊躇するかも知れませんが、本当に一発やってくれそうな気がします。
ショウナンパンドラ(6月16日撮影)

ショウナンパンドラ(6月16日撮影)

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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