うまくレースの流れに乗り、好位のインから早めにスパートしたメイショウオスカル(父フジキセキ)が、同じく1勝馬のグローリアスデイズ(父サンデーサイレンス)を際どくハナ差だけ凌いで2分1秒1。
初コース、初の2000mをこなしたのは立派だが、メイショウオスカルは桜花賞のステップレースのエルフィンS、チューリップ賞、フラワーCを2、4、3着。どうしてもあと一歩が足りなかった馬。今回、急速に力をつけたわけではなく、結果として既成の勢力図は強力。新星の台頭はなかったことを示す形になった。61.4−59.7秒の流れに巧みに乗ったが、ゴール寸前はギリギリだった。
惜敗の2着グローリアスデイズは、こちらも好位からうまくスパート。上がり34.2秒で伸びた。ハナ差はキャリアの差だけの印象が強く、ゴール前の脚色は上回っていた。もし、オークスで伏兵の評価を受けるなら、リンカーンの全妹、母方の活力溢れる勢いも考慮してこちらの方だろう。まだ力強さに欠ける気もするが、レースセンスが光った。
3着ムーンフェイズも1勝馬ながら出走権を確保。インが少し狭くなったが、これはうまく乗ったというべきで、オークスで…のタイプではない。
人気のイントゥザグルーヴ(母エアグルーヴ)は、本馬場に出てきて、18頭を同じ視点でながめたときに、全く目立たない1頭に過ぎず、現時点ではまだ体つきが成長の途上。
また、母エアグルーヴや、姉アドマイヤグルーヴと比べるのはちょっとかわいそうで、将来はともかく、スケールで大幅に見劣った。
もう1頭の人気馬ヴァルパライソは、確かに出負けもあるが、ただタメていただけで、持ち味のスタミナ能力を発揮しようとするテーマを欠いていた。