青葉賞はダービーと同じ東京2400m。もちろん皐月賞組には大きく譲るが、重賞になった過去10年で、94年エアダブリン、02年シンボリクリスエス、03年ゼンノロブロイ。3頭がここをステップにダービー2着の記録を残している。今年は例年以上に好カードだ。
シンボリクリスエス、ゼンノロブロイと同じ藤沢和厩舎のシェルゲームは、前走の毎日杯でキングカメハメハの2着。完敗は案外だったが、相手もA級の素質馬。こちらは西へ輸送してプラス16キロ。多少とも太めで、なおかつちょっとタメ殺しの印象もあった。
とにかく光るのは、2歳12月の葉牡丹賞の2000m。馬場が良かったとはいえ、わずか2戦目の同馬が刻んだ前半のペースは、46.9-59.0秒。前半1000m59.0秒というのは、同じ中山2000mの皐月賞史上でも、歴代3位に相当の厳しい流れだった。ところがシェルゲームは、そのペースで飛ばしてただ粘り込んだというのではなく、3角手前からひと息入れ(12.8-12.7秒)ると、4角手前から再び12.1-12.2秒ともう1回脚を使って、馬なりに近い状態で2分00秒7.それがわずか2戦目のことだった。
ふつう、この記録を出せば皐月賞を目標とするところだが、藤沢師は皐月賞には登録もせず、見向きもしなかった。再鍛錬の今回は入念に乗って、今週は外のゼンノロブロイ(天皇賞の有力馬)を凌ぐほどのバネの利いた鋭い動きを見せた。首の使い方など、ゼンノロブロイ以上だった。
小柄でも、ミラクルホースといわれたアグネスデジタルの半弟で、こちらの父はスウェイン(その父ナシュワン)。距離適性は2000〜2400mがベストと考えられる。オリヴァー騎手の手腕にやや(まだ)疑問があるのと、相手も素晴らしい素質馬が揃っただけに、そうは強気になれないが、この馬ここをクリアできると日本ダービーの有力馬として浮上することになる。強気に先行したい。