スマートフォン版へ

青葉賞

  • 2004年04月30日(金) 10時48分
 青葉賞はダービーと同じ東京2400m。もちろん皐月賞組には大きく譲るが、重賞になった過去10年で、94年エアダブリン、02年シンボリクリスエス、03年ゼンノロブロイ。3頭がここをステップにダービー2着の記録を残している。今年は例年以上に好カードだ。

 シンボリクリスエス、ゼンノロブロイと同じ藤沢和厩舎のシェルゲームは、前走の毎日杯でキングカメハメハの2着。完敗は案外だったが、相手もA級の素質馬。こちらは西へ輸送してプラス16キロ。多少とも太めで、なおかつちょっとタメ殺しの印象もあった。

 とにかく光るのは、2歳12月の葉牡丹賞の2000m。馬場が良かったとはいえ、わずか2戦目の同馬が刻んだ前半のペースは、46.9-59.0秒。前半1000m59.0秒というのは、同じ中山2000mの皐月賞史上でも、歴代3位に相当の厳しい流れだった。ところがシェルゲームは、そのペースで飛ばしてただ粘り込んだというのではなく、3角手前からひと息入れ(12.8-12.7秒)ると、4角手前から再び12.1-12.2秒ともう1回脚を使って、馬なりに近い状態で2分00秒7.それがわずか2戦目のことだった。

 ふつう、この記録を出せば皐月賞を目標とするところだが、藤沢師は皐月賞には登録もせず、見向きもしなかった。再鍛錬の今回は入念に乗って、今週は外のゼンノロブロイ(天皇賞の有力馬)を凌ぐほどのバネの利いた鋭い動きを見せた。首の使い方など、ゼンノロブロイ以上だった。

 小柄でも、ミラクルホースといわれたアグネスデジタルの半弟で、こちらの父はスウェイン(その父ナシュワン)。距離適性は2000〜2400mがベストと考えられる。オリヴァー騎手の手腕にやや(まだ)疑問があるのと、相手も素晴らしい素質馬が揃っただけに、そうは強気になれないが、この馬ここをクリアできると日本ダービーの有力馬として浮上することになる。強気に先行したい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング