あえて傾向らしきものを挙げれば…
施行時期が変化すれば、レース名は同じでも競走の持つ性質は大きく変わる。中京記念は再三施行シーズンが移動したうえ、2012年からは距離1600mに衣替えした。
春の安田記念、ヴィクトリアマイルなどで物足りなかったグループが参戦するようになり、レースのランクは上がったが、時期が時期だから、「七夕賞」や「函館記念」と通じるところも大きい。いかにもローカルのハンデ重賞らしく、1600mになってから3回の連対馬は「5,6,5,13,7,11」番人気の伏兵である。
もともとローカルに準じるハンデ戦らしく、1番人気馬の成績は芳しくなかったが、この3年をあわせ、2000年以降「15連敗中」。内容は【0-1-2-12】。2着にがんばった馬もたった1頭しかいない。ただ、レースレベル自体は上がったことも関係し、2000年以降のトップハンデ馬はすべて57キロ以上を背負いつつ【3-3-4-11】。15年間で、57キロ以上馬が「10頭」も馬券に関係している。
1600mになってまだ3年。傾向らしきものは少ないが、昨14年の勝ち馬サダムパテック(7番人気)、12年の勝ち馬フラガラッハ(5番人気)は、重賞勝ち馬ながら人気の落ちていた実力馬だった。2000m時代の10年の勝ち馬シャドウゲイト(4番人気)も重賞勝ち馬である。しいて中京記念でありがちなパターンというなら、「人気の落ちた重賞勝ち馬(実力馬)は侮れない」だろう。
そういう理由だけではなく、方向転換していたここ2戦のダート戦で、復活の契機がつかめたように思える
メイケイペガスター(父フジキセキ)を狙いたい。2走前は慣れないダートで浜中騎手だから…もあるが、かかり気味になったので「そのまま行かせたら」、最後もバテずに「12秒0-12秒1-12秒2」でまとめる圧勝。オープンに帰り咲いた前回は9着だが、インで出負けし最初から砂を被り通し。折り合いを欠き、真剣みに乏しいメイケイペガスターとすれば、音を上げ失速凡走必至と見えたが、ゴール寸前まで懸命に伸びようとする姿勢を失わず、完敗とはいえ差は「0秒6」しかなかった。
3歳春は、共同通信杯を1分46秒0のコースレコードで押し切り、クラシックの伏兵だった隠れた実力馬。芝1600mには「1分33秒台」の時計が5回ある。この記録では芝のG1、G2は苦しいが、時期的に中京記念だけはこの時計で十分に通用する。
近親に著名馬はいないが、母の父はブライアンズタイム、その前がシルヴァーデピュティ、バックファインダー(バックパサー)、ダンシングカウント(ND)、リボー。タフな北米育ちの血統背景があり、ダートをこなしたようにこの時期の少々タイムのかかるコンディションこそベストだろう。希望通りの外枠を引き当てたのも幸運。行きたがったら途中から行かせてもいいくらいの強気な騎乗に期待したい。
相手はとても絞れないが、デキの良さなら最右翼と思える
スマートオリオン、インに突っ込めばささる癖が死角とならない
カオスモスはぜひ買いたい。