夏の小倉開催で忘れてはならない橋口弘厩舎/トレセン発秘話
◆「最後だからって気持ちが変わるわけじゃない」
小脇に某競馬週刊誌を抱えた宮本調教師が興奮気味に話しかけてきた。
「この記事見た? 結構馬主さんからも反響があったんよ」
そこには昨夏の小倉で連対率トップの成績を挙げたキュウ舎として宮本キュウ舎が紹介されていた。
「去年は連対率で一番。今年は勝ち鞍を挙げてリーディングを狙いたいと思ってるんよ」
幕明けを飾る土曜(8月1日)メーン・KBC杯(1600万下)に現級勝ち馬エノラブエナをエントリーさせるなど、スタートダッシュを決めるつもりのトレーナー。他にもこの小倉開催に用意している有力馬のラインアップを聞くと、確かにリーディングを狙えそうな気もするが…。夏の小倉開催で忘れてはいけないのが宮本調教師が「師匠」と慕う橋口弘調教師だ。
2003年8月17日の特別3連勝(9R・伊万里特別コードネーム→10R・国東特別アクトナチュラリー→11R・GIII小倉記念ロサード)など、これまで夏の小倉で絶大な存在感を見せつけてきた名門キュウ舎が迎える“最後の小倉サマーシリーズ”。橋口弘調教師自身は「最後だからって気持ちが変わるわけじゃない」と至って冷静だが、スタッフは最後の花火をあげようと意気込んでいる。
「レッドオーラム(日曜500万下平場、芝1800メートル)は抜群の動きですよ。硬い馬場が得意だから開幕週の小倉は絶好。あとはカレンラストショー(日曜の国東特別)も前走(メルボルンT8着)時とは全然デキが違います」と赤木助手が言えば、「ミッキーラブソング(日曜メーン・佐世保S)もデキは今年の中で一番」と酒井助手。初の1200メートルに戸惑わず、ある程度ついていければ馬券圏内に差し込んでくるかもしれない。
当初、秋までひと息入れるプランだった中京2歳Sの勝ち馬シュウジも「やはりこの馬は血統的にもスプリンターやから」(橋口弘師)とGIII小倉2歳S(9月6日=芝1200メートル)に出走するとのこと。やはり、今年の小倉も、橋口弘キュウ舎から目が離せそうにない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)