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「ダート最強の血」ダノンリバティに注目/トレセン発秘話

  • 2015年08月05日(水) 18時00分


◆音無調教師「今まで使う機会がなかったけどね。この血統だから、ずっとダートも頭にはあった」

 調教、馬体、前走内容…予想のファクターはいろいろあるが、「本道はやはり血統なのか」と思わざるを得ないシーンに何度も出くわした。日本歴代最多となるGI・9勝を挙げたヴァーミリアンを筆頭とした「母スカーレットレディの血」によってだ。

 ヴァーミリアンの3歳下の弟キングスエンブレムは兄よりサイズが小さく(458キロでデビュー)、スラッとした体形からも、ダート馬という印象はなかったが、初砂の上賀茂S(1600万下、京都1800メートル)で、ほぼ馬なりで後続に2馬身半差をつけるワンサイドゲームを演じた。

 さらに2歳下の弟ソリタリーキングは稽古で全く動かず、この血統ながらダート1800メートルの阪神新馬戦で2番人気に甘んじたが(こちらも458キロでのデビューと線が細かった)、とても届かないような位置から猛烈な追い込みを見せて激勝した。やはり「競馬は血統」なのである。

 前フリの段階でバレバレだろうが、本題はレパードSにダノンリバティが出走してくることだ。母はヴァーミリアンの姉スカーレットベル。「ダート最強の血」を引く馬が初めてダートに参戦するとなれば、注目せざるを得ない。

「芝で走っていたから今まで使う機会がなかったけどね。この血統だから、ずっとダートも頭にはあった」と音無調教師。

 母の現役時代は準オープン止まり。この血筋にしては地味だが、「途中からひっかかるようになって伸び悩んだ。まともならオープンで活躍できる力はあった」とは管理していた藤沢則調教師。そもそも「牝馬は走らない」と言われたこの血統で、ダート5勝を挙げたのだから、ポテンシャルは相当高かった。そのDNAを受け継いだダノンリバティが、果たして初ダートでどんな走りを見せるのか。

 砂をかぶった時のほか、不安要素はもちろん多々あるが、あっさり乗り越えて勝ってしまうようだと…。またしても血統の重要性を思い知らされることになる。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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