49キロサウンドアドバイス 格上挑戦でも前残りある/トレセン発秘話
◆追い切りもビシッとやって好調キープ
先週の小倉記念を制したアズマシャトルを管理する加用調教師は、最終追い切り前日に「(ウッド)6ハロン82秒ぐらいで。しまいをサッと伸ばすだけで十分」というプランを頭に描いていた。が、実際には7ハロン標識から行きだして6ハロン77秒台の猛時計を計時。明らかな追い切り失敗で、これにはトレーナーも苦笑いするしかなかった。坂路野郎はその経緯も加味して評価を落としたのだが、その馬があっさり快勝してしまうのだから競馬はやはり難しい。
「本来なら、あんなにテンからかかって行って、しまい止まる稽古は良くないんだけどね。まあ、あれだけやって、さらに小倉まで輸送してプラス10キロ。それだけ馬の状態が良かったということなんだろうな」(加用調教師)
この時期、あちこちで熱中症になったとか、夏バテしたといった話を聞くが、そんな中でも絶好調の馬は確かに存在するのだ。
「夏バテしたり、熱中症になる馬なんて、今より昔のほうが多かったよ」と話すのはキャリア40年の大ベテラン武田調教師だ。
「本来、北海道の涼しい気候で育ってきた馬も暑い時期に走ることに慣れて、だんだん暑さに対する耐性みたいなものがついてきているんだと思う」
とはいえ、お盆の時期は輸送に時間を要するケースが多く、よりハードルは上がる。レース当日の体調の把握が何より重要になるが、前述アズマシャトルのように、追い切りをビシッとやって、なおかつ当日体が増えているような馬は基本的に「買い」なのだろう。
土曜(15日)小倉メーンの阿蘇S(3歳上オープン、ダ1700メートル)は人気のランウェイワルツ中心の組み立てが無難なのだろうが、ヒモ穴として考えておきたいのが「夏は牝馬」のサウンドアドバイス。追い切りもビシッとやって好調キープ。ハンデ49キロなら格上挑戦でも前残りがあるかも。
(栗東の坂路野郎・高岡功)